卓球のパリ五輪日本代表選考ランキングで同い年の伊藤美誠選手や平野美宇選手らをおさえ、トップ独走中の早田ひな選手。日本テレビの番組「サンデーPUSHスポーツ」で密着取材すると、急成長の秘密が明らかになりました。

東京五輪で早田選手は、伊藤美誠選手や平野美宇選手らを支えるサポートメンバーとして参加しました。夢である五輪の舞台に立つことができなかった早田選手でしたが、当時を振り返ると「東京五輪で戦っている選手を見た時に、自分じゃなくてよかったと思った部分がある。そこで戦えるメンタル、技術、緊張感に打ち勝っていく強さがなかった」と意外な胸中を明かしてくれました。しかし、東京五輪で練習パートナーを務める中で世界トップの技術とメンタルに触れることができたという早田選手。「今じゃないと自分を変えることはできない」と奮起し、試合では厳しいボールにも果敢に飛び込む勝利への執念をみせるようになりました。そして、パリ五輪代表選考ランキングでは現在トップを独走するまでに成長しました。

さらに密着取材で早田選手の急成長の秘密に迫ると、コーチの懸命なサポートがあることがわかりました。早田選手を指導するのは石田大輔コーチです。石田コーチは元々スポーツ関係の会社に勤めていましたが、早田選手が中学2年時に優勝した全国大会決勝の試合を見て「これは世界で戦える選手かもしれない」と感動し、退職を決意。早田選手の専属コーチとなりました。「朝イチの仕事は野菜とかの買い出し」と語る石田コーチは毎朝、フルーツと野菜の特製ジュースを作り栄養面をサポートしています。さらに練習中のエネルギー補給のためのスポーツドリンクやゼリー、フルーツの用意も石田コーチが行います。練習では早田選手のプレーを動画撮影します。「いいプレーや問題点をチェックしています」という石田コーチ。タブレットには早田選手が中学生の時から撮影したプレー映像が保存されていました。

また、石田コーチは早田選手の食事も用意しています。寮の食事に加え、料理のレパートリーが50種類以上という石田コーチが作るメニューを食べることで、早田選手はさらにパワーアップしたといいます。「（早田選手は）元々体が細かったので、筋肉をつけたい、パワーをもっと出したいと考え、プラス1品の料理を食べることで体をつくりあげてきた。昔は一発パワーを出したあとに体がふられたりしていたのが、体が安定してきて、連続で強いボールが打てるようになった。世界と戦えるようになってきた」と石田コーチは語ります。

夢の五輪への道が近づいてきた状況に早田選手は「すべての種目で金メダルを狙うことが、自分の最大の目標でもあるんですけど、まず笑顔を忘れずに頑張るというのが私の目標だなって思います」と意気込みを語りました。