巨人・ウォーカー 単独インタビュー 「吉川(尚輝)はヒップホップが好きで、結構話してくれる(笑)」
守備での弱さが指摘されていますが、毎試合前に亀井善行コーチからマンツーマンで指導を受けたり、ブルペンで投手に交じって送球練習を行うなど「よりよい選手になるため」の努力を怠っていません。
6月28日は初の補殺を記録し、SNSでも話題となりました。そのウォーカー選手に先月、お話を聞いてきました。
――試合前に亀井コーチとよく練習していますね?
僕の選手としての能力を信じてくれていて、時間を作ってくれています。僕がよりよい選手になるように、僕の能力を最大限に生かせるように考えてくれるのはすごくありがたい。
――亀井コーチからはどんなことを習ってるんですか?
全部。バッターの読み方とか、ボールの追い方とか、スローイングも。ボールにスピンをかけられるようにしたり、毎日何か課題を選んで、守備練習している感じ。1日1日少しずつでもよくなるようにしてる。
――亀井さんみたいなコーチがいてどうですか?
本当にすごいことだと思います。亀井コーチは素晴らしい人だし。僕がいい選手になるように本当に気をつかってくれている。コミュニケーションも密に取っているし、毎日、何かを彼から学ぼうとはしている。彼は素晴らしい選手だったと聞いているし、何か学びを得たいと本当に思ってる。
他のコーチも本当に気をつかってくれてありがたいです。
――こんな生活、というか野球のスタイルなどは来る前に想像してましたか?
新しい経験だよね。こんな観客の前でプレーしたことないし、すごい経験だと思う。
(ウォーカー選手が所属していたミルウォーキーのチームの1試合観客数平均は1200人程度、2019年調べ)
最初はかなり、緊張した。「えっ、こんな大勢の前でやるの?」って。
でもすごくワクワクもした。いまは練習も頑張って、試合に出て、すごく楽しくやれてる。
ここに来る前はどんな生活になるかとか分かってなかったかな。そもそも違う文化圏だからね。でも、球団はすごく気を遣ってくれて、少しでも早くなじめるようにしてくれたので、楽だった。僕が大丈夫か、いつも気にしてくれたし、すごくよく面倒をみてもらっている感じです。
――ちなみに日本の生活には慣れましたか?
少しずつね。チームがすごく気をつかってくれているので。グラウンドの中でも外でも快適に過ごせるようにしてくれています。日本に来られてうれしいし、毎日楽しくやってます。
――練習とかでもよく吉川尚輝選手とか丸佳浩選手とかと話してるけど、彼らとは英語で話すんですか?
彼らは少し(英語が)話せるんで。特に丸は結構話せるよ。吉川はヒップホップが好きで、結構話しかけてくれる。大勢もね、会話しようとしてくれるし。
でも、(一番話すのは)吉川かな、やっぱり。ベンチでも隣に座ってることが多くて、なんか吉川の横が定位置みたいになってる。吉川はとてもいいヤツ。でも、ジャイアンツのチームはみんないい人たち。
――逆になにか、日本語は覚えました?
えっとね、学ぼうとはしてるんだけど、いま出てこないかも・・・ごめん(笑)
――外でご飯食べるときはどうしてるんですか。インスタグラムでよくご飯食べに行った写真をあげてますね?
1人で行くこともあるんで、Google翻訳とか使ったり(笑)メニューの写真見て指さしたり、ちょっとした英語で書かれてたりするからそれを見て頼んでる感じ。
テンドン?テッカドン?天丼をこの前食べたかな。
「テンドン、オネガイシマス」とは言えたよ(笑)まだ、基本的なことしか話せないけど、頑張ってるよ。
――ウォーカー選手といえば、ドレッドヘアですが、いつからその髪形ですか?
伸ばし始めてから3年くらいかな。4年前にすごく髪を短くしたんだけど、その後、なんとなくドレッドにしたらいい成績残せたので、伸ばし続けてる感じ。
――ファンの子どもによくリストバンドとか、プレゼントされてますよね?
特別な意味はないんだけど、せっかく来てくれた試合を少しでも覚えていて欲しいし、少しでも笑顔になるならいいかなって。
僕が小さいときに選手がボールをくれたんだけど、それはもううれしかったから。
あとは、そうしてプレゼントしてあげた子どものお父さんとかが数年後に声をかけてくれて「君からもらったボールをまだうちの子は大切にしてるよ」とか「うちのこは野球が好きになったみたい」とか言ってくれたりするのがうれしいよね。すごく小さなことだけど、誰かの人生を変えたり、笑顔にしたりできるのは素晴らしいことだと思うから。
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ウォーカー選手がインタビュー時に着用していたTシャツですが、その意味を聞くと、「左にしか曲がらない=塁に出る」って意味があると教えてくれました。
「昔、チームがうまくいってなかった時に、打席からベンチにかえるときは、右に曲がってかえってくるんで、「左だけ(出塁だけ)だぞ」って、みんなで気合を入れるために作ったTシャツなんだ。そこからチームの意識が変わって、打撃もよくなってきて、いまでも僕のモットーにもなってるかも。ベンチにはかえらず、左曲がりでベースを回っていくぞって」
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