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マラソン一山“五輪対決”制し「感謝と涙」

2021年1月31日 17:49
マラソン一山“五輪対決”制し「感謝と涙」

新型コロナウイルスの影響のため、史上初の周回コースでの開催となった第40回大阪国際女子マラソン(31日、大阪・長居公園)。東京五輪女子マラソン代表に内定している一山麻緒選手(23・ワコール)が、2時間21分11秒の大会新記録で優勝を飾りました。

アテネ五輪の金メダリスト・野口みずきさんが持つ大会記録(2時間21分18秒)を18年ぶりに更新する快走を見せた一山選手は、前田穂南選手(24・天満屋)との“五輪代表対決”を制し、半年後の東京五輪へ弾みを付けました。

■日本新記録に挑んだ“高速レース”
気温10度、高低差の少ない周回コースで行われた今大会。好条件がそろう“高速レース”で16年ぶりの日本新記録への期待も高まる中、レースは序盤から一山選手と前田選手の一騎打ちとなりました。

レースが動いたのは13キロ過ぎ、前田選手のペースが落ち始めます。ここから一山選手が独走となり、中間点を日本記録更新ペースで通過します。その後、一山選手もペースが落ちますが、最後まで粘りの走りを見せ1位でフィニッシュ。日本記録更新はならなかったものの、現役ランナー国内最速を証明する、大会新記録で初優勝を果たしました。

■コロナ禍での開催に“感謝”の思い。そして、大会新も“悔し涙”
一山選手は、レース後のインタビューで「開催も難しい中で、選手のためにこの大会を予定通りに開催してくださって、ありがとうございました」と、コロナ禍の中で大会が開催されたことへの感謝の思いを口にしました。

そして、18年ぶりの大会新記録となった自身の走りについては「日本記録のために練習をやってきたので、今は悔しいです。(監督は)同じ気持ちで目標に向かって最高のサポートをしてくれるので、本当は一緒に喜びたかったけど残念でした」と、日本記録更新とならなかった悔しさを、涙ながらに語りました。

それでも、半年後に控える大舞台に向けては「日本記録のペースがきょう体感できたので、自分がこのくらいでしか走れないというのが分かった。オリンピックに向けて、堂々とスタートラインに立っている姿を、皆さんにお見せできるように頑張ります」と、この経験を生かして、さらなる強さを求めていくことを誓いました。

【第40回大阪国際女子マラソン主な結果】
1位 一山麻緒 (ワコール)2時間21分11秒
2位 前田穂南 (天満屋) 2時間23分30秒
3位 阿部有香里(しまむら)2時間24分41秒

写真:アフロスポーツ