競泳・塩浦慎理 東京五輪延期の苦悩=前編
去年9月、タレントのおのののかさん(29)との結婚でも話題となった競泳の塩浦慎理選手(29)。自由形、短距離のスペシャリストとして東京オリンピックを目指す塩浦選手が、日本テレビのインタビューに答えました。
──去年、東京オリンピックが延期になったときの心境は
塩浦「3月に延期が決まった瞬間はそんな雰囲気が世の中的にも出始めた頃だったので、やっぱりかという感じ。ちょっと信じられなかったですけどね。オリンピックがまさか延期するとは思ってなかったので驚きましたね」
──延期が決まったときのモチベーションは
塩浦「モチベーションはかなり低下しました。正直ゼロに近いような感じです。ずっと4年間の単位で頑張ってきたんですけど、少なくとも2020年には重要なレースがなくなってしまったので、宙ぶらりんというか。当時はすごく調子も良かったので、それを発揮する場所もなく、大会も全て白紙になってしまったので、モチベーションとやる気はほぼゼロでした」
──「中止」ではなく「延期」でも大きくモチベーションが下がった
塩浦「人生かけて競技をやってきて年齢的にも勝負しに行こうと思っていた。モチベーションがすごく高かった。その反動というか、色んな事を水泳にフォーカスして生活していて、それがなくなると大きな喪失感というか。僕達アスリートは目標を立ててそれに向かって行くのは結構得意なんですけど、いざその目標自体がなくなってしまうと、どうしたらいいかわからない。だからやる気とモチベーションの部分はそこまでの反動で一気になくなりました」
──それでも去年12月の日本選手権、50m自由形で優勝。モチベーションを取り戻した要因は
塩浦「8月ぐらいからトレーニングを再開して、まずは国際リーグ(ISL=国際水泳リーグ)に10月・11月に参加したんですけど、海外のトップスイマー達と一緒に泳ぐ機会があってすごく楽しくて。この選手達と勝負していきたいという気持ちを思い出した。それが去年の一番大きなきっかけです。この勝負の世界に身を置くということの楽しさとか、幸せな感じとかを思い出しました」
──東京オリンピックへの思いは
塩浦「去年はオリンピックを目指すと言ったら手放しに応援してくれたし、僕自身もオリンピックでメダルをとると信じていた。ただ、今は世の中の状況的にスポーツはあんまり応援される感じではない。生活が大変な人もいたりとか、スポーツがそもそも何のためにやってるのかなって思わなくもない。でも僕はもちろん開催されることを願ってるし、やっぱりやるからには応援されたい。今できることはしっかり準備をして勝負できるところにしっかり持っていくこと。もちろんメダルを目指していますけど、なかなかオリンピック、オリンピックって言っていられる状況じゃないのかなというのが正直なところなので、応援してくれる人が増えるといいなって思っています」
──東京オリンピックでの目標は
塩浦「東京オリンピックでは50m自由形、そして400mリレーですね。メダルを獲得することが目標です」
後編では、妻であるおのののかさんとのツーショットインタビューで語った、2人の馴れ初めやプロポーズの秘話などをお伝えします。
写真:YUTAKA/アフロスポーツ