佐藤輝明初HRの裏に…古賀稔彦さんの祈り
先月27日、阪神ドラフト1位ルーキー・佐藤輝明選手が放った初ホームラン。その裏には父・博信さんと柔道バルセロナ五輪金メダリスト・古賀稔彦さんとの隠されたエピソードがありました。
実は佐藤選手の父・博信さんは日本体育大学出身で古賀さんとは同級生。同じ柔道部に所属していました。古賀さんがキャプテンで、博信さんは副キャプテンを務め、大学卒業後も親交がありました。
博信さんは古賀さんとの大学時代について、「(古賀さんは)スーパースターですよね。大学1年生の時に僕がホームシックになって、(故郷を)思い出してシュンとなっている時に、僕のそばにきて『母さんがよなべをして~』ってあるじゃないですか。あれを僕の横で歌って僕が大泣きさせられました」とコメント。
佐藤選手がドラフト1位で指名された時は、古賀さんから博信さんに連絡があったといいます。
「ドラフト1位指名おめでとう。すごいねって。大学柔道部のグループLINEだったので、みんな同級生がおめでとうって連絡くれたので、それに対してありがとうというふうにまとめてお礼を言った感じなので(古賀さんに)直接返しておけばよかったなって。そこから直接会ってもいないし、心残りですね」
その古賀さんが亡くなった3日後に行われた阪神の開幕2戦目。佐藤選手がプロ初ホームラン。その様子をスタンドから観戦していた博信さんは、「僕の同級生の古賀くんが亡くなってしまって。柔道部の先輩とかとも試合の途中で話していて。古賀が打たせてくれたんですかねって話になって。その時にちょっと涙が出ました」。
スタンドで息子を見守っていた時も、古賀さんが頭から離れなかったという博信さん。
「ふと冷静になると稔彦のことを考えてしまって、ちょっと落ち込みそうになるというか。そんな中で輝明の試合を見ていて、最初打てなかった。パッと空見た時に稔彦打たせてくれよっていう感じで。正直思いました。(稔彦が)打たせてくれたんだと思います」
そんな父の祈りが届いた息子・輝明選手のホームラン。これが佐藤輝明選手のプロ野球人生を踏み出す初ヒット、初ホームランとなりました。