男子ゴルフの松山英樹選手（２９）が１２日、マスターズ王者となって初めて臨む「ＡＴ＆Ｔバイロン・ネルソン（１３日～・テキサス州）」に向け、前日会見を行いました。会見では、東京五輪開催についても語り「複雑な気持ち」と胸中を明かしました。

※以下会見の主な内容

――休養したこの１か月楽しい

日本に帰っていたのですが、２週間は何もできなかったので、そのあと少し両親に会いに行ったり、子供と会ったりしている中で、徐々に実感がわいてきたという感じですね。

――日本に帰って一番印象に残ったこと

帰ってすぐはまだ僕のニュースとかやっていたので、それを見ているのがちょっと不思議な感じで、外に出られなかったので、誰とも会わずにニュースを見ているのがすごく面白い、違和感はありました。

――自分の記事は読みましたか

そこまで見るのは初めてですし、恥ずかしいというか、くすぐったい感じがします。

――新しい目標やこれからメディアの注目が高まることについては

マスターズが終わって、優勝したことによって自分が今までだったら「どこがいけなかった」とか、優勝してもそういう気持ちがあったのですが、今回は全然ならなかったので、練習もアメリカに帰ってきて、まだ今週に入ってからちゃんとやり始めたくらい。

次の目標は全米プロがありますけど、今週まず自分がいい状態にすることが大事かなと。それがちょっと時間かかりそうな雰囲気はありますけど、頑張りたいと思っています。

――これからメディアが多くなるが

当然うれしいこともありますし、「悪いときはほっといてよ」ということもあると思うのですが、それも含めてもっともっと成長していかないといけないと思っています。

――マスターズのニュースは見ましたか

ニュースでやっていたので、それをちょっと見ました。

――どう思いましたか

「緊張しているな」と。そこで戦ったのは自分なのですが、（ニュースで）見て、また緊張している自分がいました。

――グリーンジャケットはどこで何回ぐらい着ましたか

自分の両親とかは着てもらいましたし、自分の知っている人には見せに行ったりはしました。日本に帰ってから着たのは２回ぐらいです。それはメディアと、日本の首相と会ったときなので、それ以外は持っていますけど、着てはいないです。

――メジャーを勝って変化はありますか

勝ったことによって少しホッとしたというか、勝てなかった自分がいる中で、ついに勝ったのがメジャーのマスターズだったということは、すごくホッとしている。

これからもっとツアーでも、メジャーでも勝ちたいと思っていますし、その中で少し追い込んで、追い込んでというよりか、少し余裕を持って自分が見られるのではないかなと思っています。

――来年のマスターズディナーは、すしが出るとみんな思っていますが何か考えていますか

すしは出したいなと思っているのですが、みんなが好きかどうか分からないので、そういうのも聞ける人に聞いて、すしとか日本にはすごくおいしい肉とかあるので、そこも考えながら過ごしています。

――今週のカギになるコースやプレーは

まず自分の状態が１か月何もしていなかったので、コースというよりは自分の状態をあげることが先決かなと、それができればいい戦いができるのではないかなと思っています。

――メジャー王者になって試合への姿勢や気持ちなどで変わった点、そうでない点は

やっぱり変わったらこれから先、勝てなくなる可能性もあると思いますし、ただマスターズで勝ったということで、少し自分の気持ちに余裕はあるという感じはあるので、そこは大事にしながら今まで通り頑張りたいなと思います。

――東京五輪開催に感じることは

これは本当になんと表現すればいいか分からないですけど、本当に無事に開催されるのであれば、金メダルを目指したい。だけどそれまでに今、日本はすごく感染者数も増えて大変な状況だと思うので、一概にオリンピック、オリンピックというのは、僕は考えられないです。

ほかの競技の人もそうやって４年に１回しかない、今年だったら５年に１回というところで、かけている思いというのは僕には分からないですけど、その人たちにもやってほしいという気持ちはありますけど、今の日本の状況を考えるとそれはどうなのかなとか、いろんな複雑な気持ちではいます。

――今週からツアー復帰して、現場入りしてメジャー王者の実感や声かけられたりとかしましたか

選手の皆さんが声かけてくれたりとするのは、（マスターズで）優勝したときもありましたけど、それ以上にやっぱり、ほぼほぼ全員からそうやって言われるので本当にうれしいなと思いますし、そこらへんでやっぱり実感はしていますね。

写真：アフロ