「最後の年に最高の栄誉」福岡堅樹がMVP
24日、ラグビー・トップリーグの年間表彰式が行われ、今年で引退し医師の道に進むパナソニック・福岡堅樹選手がMVPを初受賞しました。
福岡選手は、開幕前から医師の道に進むため、今季限りでの引退を明言。シーズン中に受験し、みごと順天堂大学医学部に合格。4月に入学すると、対面授業があるときは自宅のある群馬・太田市から東京・お茶の水の大学まで車で通い、授業が終わったら練習を行うなど“二足のわらじ”でトップリーグに臨んでいました。
試合では学業での疲れを見せることなく、5月8日のキヤノン戦で80m独走トライを決めるなど、武器のスピードを生かしたプレーでパナソニックをけん引。15日の準決勝、トヨタ自動車戦では三つのトライを決める“ハットトリック”を達成。23日の決勝、サントリー戦でもトライを決めるなど、ラグビー人生ラストイヤーでチームの優勝に大きく貢献し、有終の美を飾りました。
授賞式では、カメラに向かって満面の笑みを浮かべ、手を振った福岡選手は「引退する最後の年に最高の栄誉をいただいて、本当に光栄に思います」とコメント。
そして、最後にファンや福岡選手に関わった全ての人に向けて、感謝のメッセージを述べました。
「今シーズン、そして、これまで僕自身のラグビー人生を応援してくださり、本当にありがとうございました。去年からコロナの影響もあり、たくさんの人にご不便があったかと思います。その中で、試合を何度もやっていただいた日本ラグビー協会、関係者に感謝しております。1試合、無観客試合がありましたが、それ以外で観客を入れて試合をすることができたのは、最後に惜しまれて引退することができることを目標にしていたので、感謝しています。ファンだけではなく、チームメート、ワイルドナイツが僕自身の挑戦を心から応援してくれたことが、MVPとしてここに立てるようになった大きな要因だと思いますので、ワイルドナイツに感謝していますし、ワイルドナイツの選手として本当にプレーできて良かったと心から思っています。これからはラグビーから離れて、違った道での人生を生きていこうと思いますが、日本ラグビーはこれからも続いていきますし、僕以上に素晴らしい選手はたくさん、どんどん出てくると思うので、これからもラグビーの応援をよろしくお願いいたします」
写真:アフロ
※写真は2021年5月23日