【箱根駅伝】12年前のハプニング『寺田交差点』の生みの親 監督として三重から本大会目指し予選会へ
100回大会を迎える2024年1月2・3日に開催される箱根駅伝。
その記念すべき大会へ、14日に開催される予選会は、史上初めて全国の大学が参加可能となります。
予選会に臨む57校のうち、本大会に進めるのは13校。過去には1秒が箱根への運命を分けたこともありました。
今回予選会に初出場する三重県の皇學館大学は、全日本大学駅伝に6年連続出場する東海地区を代表する強豪。率いるのは、過去に箱根駅伝を沸かした寺田夏生監督です。
■“寺田交差点”の生みの親
2011年の87回大会、10区のフィニッシュ直前で4校が8位集団を形成し、残り3枠のシード権をかけてデッドヒートが繰り広げられました。
当時國學院大学の寺田さんは残り200mの所で抜け出しますが、ラスト100mの交差点でコースを間違えるハプニング。4人の中で後れをとりますが、最後の力を振り絞りなんとか10位でフィニッシュし、シード権を獲得しました。
こうした出来事から、この場所は『寺田交差点』と呼ばれるようになりました。
■箱根駅伝常連校に匹敵する月間800キロのトレーニングも
寺田さんは大学卒業後、実業団で競技を続け、福岡国際マラソンで3位に入るなど活躍し、2023年3月に現役を引退。同年7月に皇學館大学の駅伝競走部の監督に就任しました。
妻と子どもと離れ、単身で大学の寮に住み込み指導する寺田監督。就任当初は、箱根駅伝に挑戦できるチーム状態ではなかったと言います。
寺田「東海地区だとハーフマラソンを走る機会がないので、どんなに長くても全日本大学駅伝の区間の距離。距離に対する考え方だったり体が圧倒的に不足している」
皇學館大学がこれまで出場した出雲駅伝と全日本大学駅伝では、1区間あたり平均7キロと13キロだったのに対し、箱根駅伝はおよそ21キロ。より長い距離を走る力が必要となります。
そこで寺田監督が着手したのはジョギングの距離。これまでは選手個人にゆだねられ、1日8キロほどでしたが、最低15キロの基準を設定。また予選会を想定し、起伏のあるコースを走る、22キロ走も実施しました。
さらに箱根駅伝常連校に匹敵する、月間走行距離800キロものトレーニングも。寺田監督は「少しずつなんですけど、力はついてきているんじゃないかなと思います」と感触を得ていました。
選手たちも「個人としても関東の学生に勝つつもりでいきたい。チャレンジするつもりでいきたい」と自信をつけている様子。
三重から箱根へ、寺田監督は「出るからにはしっかりと13番以内に入って箱根(駅伝)出場権を獲得したいと思っています」と語りました。