怪物・江川卓 高校時代を振り返る
高校時代から数々の伝説を作ってきた野球解説者の江川卓さん。11日の「Going!Sports&News」にて、自身の高校時代で一番印象に残ったシーンを1973年、高校3年生のときに出場した夏の甲子園・2回戦の銚子商業(千葉)との一戦をあげました。
高校で作新学院(栃木)に入学した江川さんは、高校野球界を席巻。
1971年、1年生のときに県大会で“完全試合”を達成をすると、1973年、高校3年生の第45回選抜高等学校野球大会では、大会記録を43年ぶりに更新する4試合で通算60奪三振の記録を残しました。この記録は現在も破られていません。
さらに、同年の第55回全国高等学校野球選手権大会・1回戦の柳川商業(福岡)戦では、世間の江川さんへの注目度が高かったことから、全国の消費電力量が当時の年間最高記録となるなど、高校時代から数々の伝説を残してきました。
その江川さんが、高校時代に一番印象に残っているシーンに挙げたのは、第55回全国高等学校野球選手権大会・2回戦の銚子商業との一戦でした。
この試合は、両校得点のないまま迎えた延長12回に、作新学院は1アウト満塁のピンチに。最後は江川さんが投じた球が高めに外れ、押し出しで作新学院がサヨナラ負けを喫しました。
江川さんは、当時満塁になったシーンを振り返り、「全員がマウンドに集まりまして、それで『好きな球投げろ』と言われました」と、話しました。
最後の一球は、無情にも高めに外れボールの判定となり、押し出しでサヨナラ。しかし、江川さんはこの一球を「最後の球が自分は好きですね。ボールになったんですけど、このボールが一番すばらしい球で、速かったと今でも思っていますね」と回顧しました。
また、番組メインキャスターでくりぃむしちゅーの上田晋也さんから、「チームメートのみなさんも『江川、おまえのおかげでここまで来られたんだから』というチームが一つになったという逸話を聞いています」と、チームメートとの話に及ぶと、江川さんは「野球は、全員9人ベンチ全員でやるものですからね。一人では本当にかなわないですし、できないですから」と、チームメートの大切さを語りました。
写真:日刊スポーツ/アフロ