【高校サッカー愛知全力応援】笑え、走れ、明るく前向きに「愛工大名電」を応援したい5つのこと
1. OBには日本を代表する“球界”の偉人たち
前身の「私立名古屋電気学校」は大正元年(1912年)創設。“レーザービーム”で有名な元マリナーズのイチローさん、監督としてソフトバンクを5度の日本一に導いた“優勝請負人”工藤公康さんの母校、愛工大名電。努力の天才を生んだ名門の校訓は「誠実・勤勉」です。
近年では、パリ五輪・卓球日本代表の篠塚大登選手は卒業生。野球はもちろん卓球、バスケ、相撲、など様々な運動部が全国レベルです。
2. コロナ禍を乗り越え再び 5大会ぶり2度目の全国大会出場
野球界にレジェンドOBが揃う名電。サッカー部OBのプロ選手では、タイ2部リーグ・カーンチャナブリーでプレーする佐野渓選手がいるものの、決して多くはありません。練習場は土のグラウンド。「1度の愛知大会優勝では人工芝にしてもらえなかった」と宮口典久監督は冗談交じりに語ります。
98回大会以来、2度目の全国大会出場を決めた愛工大名電。地区大会優勝直後のインタビューで、宮口監督の第一声は「ここまで苦しかった」でした。
前回の全国大会出場は2019年のコロナ禍前。「1回出たのは帳消し。コロナが少しずつ明け始めた22年度から数えて3年目。そのあたりからは思うようなチーム作りができた」と振り返ります。
近年の地区大会は、99回大会1回戦敗退、100回大会2回戦敗退、101回大会と102回大会はいずれも優勝校に敗れてのベスト4。着実にチームを作り上げ、5大会ぶりに掴んだ2度目の全国切符。
創部56年の名電が常勝サッカー部への道のりを再び歩み始めます。
3. 県総体王者を下して臨んだ地区大会決勝 相手は勢いに乗るダークホース
3度目の正直で挑んだ今大会の準決勝では、県総体王者の東邦を相手に3-0の完封勝利。決勝の相手、大同大大同は初の決勝進出ですが、準決勝で昨年度選手権全国大会ベスト8の名古屋を下して勢いに乗ります。
ダークホースとみられた大同大大同を相手に前半5分、ディフェンスライン裏への抜け出しを狙ったフィードを杉本悠悟選手(1年)が落として、江川敦哉選手(3年)が先制点。さらに前半24分、杉本選手から左サイドでボールをもらった蒲地壮汰選手(3年)がエリア内に進入。ゴール左深い位置からシュート気味に放ったクロスを、またもや江川選手が押し込んで2点目。その後、前半36分に大同大大同キャプテン加藤真基選手(3年)に1点を返され2-1で折り返し。
後半は大同大大同がペースを掴む時間が長くなりますが、体を張ったディフェンスでゴールは許しません。すると後半27分、杉本選手がエリア内で倒されPKを獲得。これを蒲地壮汰選手(3年)が落ち着いて決め、3-1とリードを広げます。その後、大同大大同に更に1点を返されますが、なんとか逃げ切り試合終了。笑顔で走りきった80分。試合後には涙があふれました。
4. 目指すは「日本一のハイプレス」、そして笑顔
2018年夏、「日本一のハイプレス」を目指してチームカラーを転換。その翌シーズンに初の全国切符を手にしました。ハイプレスを支えるのは「無尽蔵のスタミナ」。運動量にこだわり、時には練習前に学校からグラウンドまでの約11kmを走って移動することも。
チームスローガンは、「明るく前向きに」。下を向いていては良い発想は得られない。同じ時間を過ごすなら、前向きに笑顔で過ごしたほうが良い。会話して雰囲気を大切にしたほうが良い結果に繋がる。という意味が込められています。
試合終了のホイッスルまで無尽蔵のスタミナで、笑顔で走り抜くのが、ブレない名電のスタイルです。
5. 兄はキャプテン、弟はエース、日本一の双子を目指す「蒲地ツインズ」
キャプテン蒲地陽汰選手とエースの蒲地壮汰選手は双子の3年生。しっかり者の兄・陽汰選手は宮口監督が「統率力が1段階、2段階上の選手」と全幅の信頼を寄せる守備の要。一方、自由奔放な弟・壮汰選手は、名電のエースナンバー“7番”を背負う攻撃の中心選手で、スピードに乗ったドリブルが武器です。
穴の開いたソックスを持ってきてしまった弟・壮汰選手に、そっと予備のソックスを兄・陽汰選手が差し出すような関係の「蒲地ツインズ」。4歳から同じチームでボールを蹴り続けた2人が同じピッチに立つのはこの選手権が最後。全国大会で「日本一の双子」を目指します。
愛工大名電の初戦は12月29日に行われる、島根県代表・明誠高校との1回戦。コロナ禍を乗り越えて再び立つ全国の舞台。笑顔のハイプレス、最強の双子、愛工大名電に注目です。
(取材・文 高校サッカー選手権民放 43 社/中京テレビ)