【バスケW杯】もう1つの“日本代表” 日本人レフェリー・加藤誉樹「一つ一つ大事に」
日本、フィリピン、インドネシアの三か国共催で開催されるバスケットボールW杯。沖縄で試合を行うグループEに入った日本代表は強豪・ドイツ、フィンランド、オーストラリアと同組で戦います。自国開催の大会で勝利を手にするため、トム・ホーバスHC率いる日本代表は約2か月の合宿を経て、12人のロスターに絞られました。
そしてもう一人、W杯の舞台に立つ日本人がいます。それが日本バスケットボール協会(JBA)のレフェリー・加藤誉樹(たかき)さんです。
現在35歳の加藤さんは、2017年にJBA公認のプロフェッショナルレフェリーとなり、Bリーグでは16-17シーズンから7年連続『レフェリーオブザイヤー』に輝くトップレフェリー。国際経験も豊富で、欧州選手権や前回のW杯、東京五輪でも審判を務めました。
現在はフィリピンに滞在しているという加藤さん。「1週間前にフィリピン入りして、そこから4日間プレコンペキャンプということで、大会に向けて安定基準のすり合わせやチームビルディングを行ってきました。自分はこのままフィリピンに残り1次ラウンドを担当します」
数ヶ月前に国際バスケットボール連盟(FIBA)から候補の56人に選ばれたと連絡があり、現在は本番を迎える44人に絞られました。加藤さんは国内での試合もあったため、現地に入るまでずっとトレーニングは続けていたそうです。
さらにFIBAによる約4か月半に及ぶトレーニングプログラムがあったといいます。「フィジカル面の準備ということでプログラムが送られてきました。トレーニングは指定された日時で行い、シャトルランなどの動画を撮影してFIBAに送ったりしていました。またオンラインで判定技術や審判技術、日本では取り組みの少ないメンタル面のトレーニングもありました」
今回、日本からは加藤さんの他にJBA審判員の漆間大吾さんが選ばれました。「国内ではお互い切磋琢磨していて、時には仕事で1時間以上電話で話したりもする仲です。日本人2人で国際大会に行く機会はそうはないから、漆間さんが選ばれたことは嬉しいし、負けないぞという気持ちもあります」
世界中が注目する4年に一度の世界大会。各国の代表が威信をかけて戦う緊張感のある試合で審判を務める加藤さん。「いち審判として少しでもレベルの高いゲームを、少しでもファイナルに近い試合を担当したいという気持ちがあります。一方でどのゲームも大切だし、自分にできることは目の前の1プレーを判定していくことにつきる。一つ一つ大事にやっていきたいです」と本番を見据えました。
また、「東京五輪は新型コロナの影響でバブルでの開催だった。世界の素晴らしいプレーを生で見てほしいという思いがあったので、今回その思いが沖縄の地でかなうのは嬉しい。生のプレーをファンには触れて欲しいですね」と日本でのW杯開催を喜んでいました。