【高校サッカー全力新聞】奈良育英「黄金時代到来!全員攻撃・全員守備で挑む」
■奈良育英の黄金時代到来!伝統の「全員攻撃・全員守備」
奈良育英学園は幼稚園から高校まで一貫教育の私学で完全なる人格を育成することを教育理念としています。そんな奈良育英のサッカー部が常に掲げてきたのが「全員攻撃・全員守備」。これは奈良育英伝統のスタイルです。
個々の能力はそれほど高くないと言いますが「今年は確実にチーム力が高い」と選手たちは話します。また、今年は奥村央樹キャプテンをはじめ、磯貝新之助選手、藤岡仙太郎選手、瀧川笑玄選手の3人が副キャプテンを務めチームをまとめています。
部員が118名と県内最多を誇るチームで、その中でも多くの選手が複数のポジションをこなすことができるのも奈良育英の魅力の1つです。練習では毎週、選手たちだけでミーティングを行い、練習内容を自分たちで決定したり、対戦相手の分析などを行っています。
■奈良育英 伝統の10番を背負う奈良大会最優秀 磯貝新之助選手(3年生)
1年生から全国大会に出場し、最終学年でチームのエースとして全国の舞台に挑む磯貝選手。地区大会では最優秀選手にも選ばれました。
そんな磯貝選手の強みは圧倒的な足元の技術。奈良県で一番上手い選手と他校の監督からも一目置かれるドリブルとパスの精度が光ります。地区大会では得点は準決勝の1点と本人は満足のいく結果ではなかったと言いますが、アシストも完璧にこなすのが磯貝選手の魅力です。
地区大会4試合中3試合で得点の有友選手(2年生)は磯貝選手について「先輩は自分が欲しいタイミングで良いボールをパスしてくれる。チームの得点にほぼ絡んでいる」と話します。
磯貝選手は「チーム力は自分たちが上だと思っているので、しっかり強さを見せて格上相手にも挑んでいきたい。期待してくれている中で自分がチームを勝利に導きたい」と抱負を語りました。
■複数のポジションに対応するユーティリティープレイヤー藤岡仙太郎選手(3年生)
磯貝選手とともに1年生から全国の舞台を経験、副キャプテンの1人としてチームを引っ張ります。地区大会決勝では、3つのポジションで対応。自身が強みと話すチーム1の持久力も魅力の選手で、今年は磯貝選手と両サイドのポジションで得点に絡みます。
過去2年は自分がやりたいプレーや自分の良さが出せなかったと話し、最後の選手権では悔いのないように自分のプレーを精一杯出し切りたいと意気込みを語りました。
■全国での悔しさは全国で晴らす
過去2大会ともに2回戦の壁に阻まれてきた奈良育英。奈良では一強とも呼ばれる力を持ったチームですが、全国のレベルの高さを感じさせられます。2年間全国を経験してきたからこそ、今年選手たちは「全国の悔しさは全国で晴らしたい」と話します。
過去の最高成績は第73回大会のベスト4。当時の主将は後に日本代表として活躍するGK楢崎正剛選手。16回目の全国への挑戦。偉大な先輩がつくった歴史を塗り替えるべく「黄金時代到来」と言える結果を全国で残せるよう「全員攻撃・全員守備」で挑みます。
(取材・文:高校サッカー選手権民放43社/奈良テレビ放送)