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FIFAワールドカップ 日本代表追加招集・町野修斗 亡き恩師へ贈った“ブルーペナント”

2022年11月16日 17:00
FIFAワールドカップ 日本代表追加招集・町野修斗 亡き恩師へ贈った“ブルーペナント”
サッカーW杯代表に追加招集された町野修斗選手(写真:アフロ)
日本サッカー界では、初めて日本代表に選出された選手が、育成年代でお世話になった恩師に感謝の気持ちを込めて「ブルーペナント」という贈る文化があります。

8日、FIFAワールドカップのメンバーに追加招集された町野修斗選手(23)がブルーペナントを贈ったのは、亡き恩師でした。

町野選手はJ1湘南ベルマーレ所属。身長185センチの高さを生かしたヘディングと、どこからでもゴールを狙える決定力を武器に、今季リーグ戦で得点ランキング2位の13ゴールを挙げました。

そしてゴール後に見せるのは"忍者ポーズ"。

実は町野選手の出身は三重県伊賀市。忍者の里として知られ、俳人・松尾芭蕉の出生地でもあります。

地元・伊賀では地元の人も「追加招集されてめっちゃテンション上がりました。世界の舞台で忍者ポーズを見られたらうれしいです」「(地元では)1位:忍者、2位:松尾芭蕉、3位:町野選手って感じです。順位はそのうち入れ替わると思います(笑)」と追加招集に喜びの声があがっていました。

町野選手は7月、初めて日本代表に選出。ブルーペナントを贈った相手は、中学時代に所属していたクラブの監督・関本恒一さん。2016年に平滑筋肉種といわれるガンのため、37歳で亡くなった恩師でした。

当時、関本監督と共に町野選手を指導していた藪中コーチは「(関本監督は)才能とやるべき事っていうのをしっかり見抜いて、相当愛情を持って厳しくやっていた。(町野選手は)最後の1秒までチームの為に走ることが結構苦手な選手なので。相手に負けないことや、チームの為に走ることを中学時代は本当に厳しくやっていた」と話します。

関本監督が教えたのは“チームのために”戦うこと。そんな指導者としての哲学について、関本監督は自身の母親に話していました。

関本監督の母親は「“プロの選手を育てようと思っていない。人間形成を重視に考えている”と言っていた。技プラス人間性、気持ち、心の持ち方も必要やからね」

町野選手から贈られたブルーペナント。今は仏壇に遺影と共に飾られています。

関本監督の母親は「日本代表になってうれしいことと、亡くなっても恒一(関本監督)に感謝状が届いて、親バカかだから息子の返り咲きのように舞い上がってうれしかったです。(町野選手が)『監督と出会えて自分がいる』と言ってくれて、町野君も恒一のこと慕ってくれていたし、恒一も町野君にできる限りのこと教えたかな」

町野選手が日本代表選出後に語ったのは、関本監督への思いでした。「人間としてのところを一から教えていただいて、天国から見てくれているので、そういう思いを持ちながら、プレーと結果で見せていけたらなと思います」

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