【箱根駅伝】全国の大学が参加可能になる第100回大会予選会 皇學館・日比監督「チャレンジしたい」
その記念大会の出場権をかけた予選会(2023年秋に開催予定)の選考方法や参加資格が、6月30日に主催の関東学生陸上競技連盟から発表されました。
■予選会の参加資格が「全国」に
注目は、その参加資格が大きく変更されたこと。
参加資格には「公益社団法人日本学生陸上競技連合男子登録者で、本予選会並びに箱根駅伝本大会出場回数が通算4回未満である者に限る」とあります。従来は“関東学生陸上競技連盟男子登録者”だったのが“日本学生陸上競技連合男子登録者”となりました。
つまりは全国の大学に門戸が開かれることになります。なお、第101回大会以降の開催方法については未定となっています。また、100回記念大会では、関東学生連合チームは編成されません。
かねてより、箱根駅伝の全国への門戸開放を提案していた青山学院大学の原晋監督は、このニュースにいち早く反応。
「我々のライバルは陸上界の各大学チームではない、『サッカー界や野球界』である!魅力ある陸上界にしていく為にも必要な改革ですね…」とSNSで発信しました。
■本大会は前例あり。
予選会なら「史上初」
これまでにも、創設期には関西大学が第9回(1928年)第12回(1931年)第13回(1932年)と3回ほど招待されています。また第40回記念大会(1964年)には、立命館大学と福岡大学がオープン参加。
第80回記念大会には日本学連選抜チームが結成され、オープン参加ながら6位相当と健闘しています。
このように、本大会には関東以外の大学が出場したこともありましたが、予選会に関東以外の大学が出場するとなれば、史上初めてのことになります。
■「東海地区最強」皇學館大学は歓迎
近年、東海地区を席巻している皇學館大学(三重県)の日比勝俊監督(日本大学OB)は、次のようにコメントしました。
「かねてから第100回大会での地方大学参加案が出されていましたが、もし現実になったらチャレンジはしたいと思っていました。その準備として、今度の3月の学生ハーフ(マラソン選手権)には可能な限りエントリーするつもりでいました。現実的に、箱根予選会に出られる地方大学は、直前に出雲駅伝もあり、厳しいスケジュールとなります。ただ、出られるものなら、出雲と予選会とにしっかり合わせて挑みたい。その構想は既にあります」
出場するために必要な条件(記録など)はまだ発表されていませんが、箱根予選会への挑戦を前向きに検討しているそうです。
■準備期間は1年あまり
皇學館大学の他にも、関西地区から関西学院大学、立命館大学、大阪経済大学、中国地区から環太平洋大学といった各地区の強豪大学が、出場する可能性がありそうです。
とはいえ、男子の大学駅伝の勢力図は、関東地区が圧倒的に強いのが現状です。実際に、昨年の全日本大学駅伝では、1位から15位までを関東勢が占めました。
1年超の準備期間はありますが、来年秋に"打倒・関東"を掲げる地方大学が、どこまで関東勢に食い下がれるか、注目です。