メジャー10年目の36歳前田健太 戦いの中で切り捨てた“2つ”のもの 「抜いておきたいですね(笑)」今季目標は“11勝”

メジャーではドジャース、ツインズで 6度の地区優勝、2度のリーグ優勝を経験。昨季から3球団目のタイガースに所属します。
36歳となった昨季は、3勝7敗、防御率6.09の成績。ケガで休んだシーズンを除けば、勝利数、防御率ともに自己ワーストでした。
「去年はやばかったですね。泣きそうでした」とその胸中を激白。また「ファンの方からめちゃくちゃ厳しい声をいただいた。“マエケンも年齢でスピード落ちてきたな”みたいな声がいっぱい届いていた」と話しました。
それでも“勝負の年”とキャンプインした今季は、オープン戦で好調キープ。ここまで3試合8回と2/3を投げて14奪三振と復活の兆しをみせています。
ヒンチ監督は「去年の春に投げたどのボールもよく、別人のようだ」とたたえました。
■メジャー生き残りへ 切り捨てた“2つ”のもの
【メジャー10年以上の日本人選手】
イチロー 19年
ダルビッシュ有 14年
野茂英雄 12年
大家友和 10年
松井秀喜 10年
これまでメジャーリーグで10年以上在籍した日本人選手は、わずか5人。10年目となる前田投手は、世界トップの舞台で長く活躍できている理由には、メジャーに来てから切り捨てたものが2つあると語ります。
1つ目はチャンジアップです。メジャー2年目では、最も打たれる割合が高い球種となったことで、「今までの日本で投げてきたチェンジアップでは生き残っていけないと思ったので、もう握りから変化から一気に全部変えた」と3年目以降はより速く落ちるスプリットに新たに挑戦。
すると取り組んだ2018年には、全球手の中で最も被打率が低い結果へ。昨季は全球種で最も多く投げる投球の軸となりました。
2つ目はスイーパーです。一番の武器である『マエケンスライダー』よりも大きく横に曲がる、スイーパーを切り捨てたといいます。
一昨年前のインタビューでは「今後スイーパーにもチャンレジしていく。今実際に握りを変更して、いい感覚で投げられている」と語っていましたが、これを捨てたワケは。
「メジャーでトップクラスの変化量を追い求めすぎて、自分のいいスライダーを見失ってしまった。曲がりが速くなったりとか、フォーム崩れたりとか、バッターから見えやすかったりとか、マイナス要素が出てきてしまった」
スイーパーの挑戦で、昨季は得意のスライダーが最もヒットを打たれた球種へ。今季は「スイーパーは投げようとせずに、本来の自分のスライダーをしっかりもう一度見つめ直してみようと今は思っています」と手応えを語りました。
4月には37歳となるベテラン右腕。同い年には巨人の坂本勇人選手や田中将大投手などがいます。
メジャー通算勝利数78勝の田中投手にあと10勝とすると前田投手は、今季の目標を聞かれ、「じゃあ、11!何年メジャーにいれるか分からないので、いるうちに抜いておきたいですね」と笑みを浮かべました。
(3月9日放送 日本テレビ「Going! Sports&News」を再構成)