【挑戦】プロ野球審判員へ一歩「日本シリーズに立ちたい」
今週金曜日にプロ野球が開幕します。
プレーする選手とともに、試合に不可欠なのが公正公平なジャッジをする審判員です。
90年以上続くプロ野球でこれまで県出身者はいませんが、県内に住む男性が去年審判員への最初の関門を突破しました。
この春、夢へ踏み出す思いを聞きました。
審判員を目指す若者の挑戦
射水市在住の惣元優成さん20歳。
この春、中学生の時に抱いた夢に挑戦します。その夢とは…
「ストライク!」「セーフ!」
NPB=日本野球機構の審判員です。
惣元さん「わくわくとドキドキが大きいですね」
審判員になるにはまずは「NPBアンパイアスクール」に入り「研修審判員」に選ばれる必要があります。
惣元さんは去年12月、120人以上いた参加者の中からわずか6人の合格者のひとりとなりました。
審判員への道は険しく、研修審判員は、独立リーグで経験を積むことが求められます。
実力が認められれば「育成審判員」に採用されます。
育成審判員は、NPBの二軍の試合などで経験を積み最終試験に合格すれば「正審判員」となって、1軍の試合に出場することが出来るようになります。
レギュラーとして1軍の試合を審判するまでに研修・育成期間を合わせると最低でも10年はかかると言われています。
惣元さん「長いとは思うんですけど、やりたいことを10年…もっと長く出来るのは素直に嬉しいですし、わくわくもありながらちょっと大変ではあると覚悟している」
小学4年生で野球を始めた惣元さん。
中学生のときにプロ野球を観ながら選手ではなく審判に憧れを持つようになりました。
惣元さん「ピッチャーが投げてキャッチャーに収まるときのコールのする大きい声であったりモーションであったりとかが、すごい、なんだこれって」
地元の小杉高校を卒業後、高岡法科大学に進学し、ここから夢に向かい準備を始めます。
射水市の野球協会に所属しアマチュアの審判員になりました。
硬式ボールを使う高校生の練習試合から軟式ボールを使う少年野球や一般の”草野球”まで参加し様々な経験を積みました。
こちらは、キャッチャーの後ろで試合をつかさどる「球審」の防具一式です。
投球や打球を判定する球審で惣元さんが一番好きな瞬間は…
惣元さん「見逃し三振のジェスチャーがかっこいいなって。右打者はこっちなんでこっち側が空くのでバッとこっちで。左打者は逆にこっちが空くのでこっちでバッと」
実際にやってもらうと…
右打者用「ストライクスリー」
左打者用「ストライクスリー」
夢への決断と家族の支え
一方、夢への最初の関門を突破したことで大きな決断を迫られました。
それは今年3年生になる大学をどうするか?
夢を後押ししてくれたのはいつも応援してくれる家族でした。
父・健一郎さん「大学をやめることになるけどいいかって言われたのですが、その時は子どもの夢もあるので応援してあげたい思いでいいぞと、頑張ってこいと。本当に彼は勝負の世界というか審判は勝負の世界ではないんですけど、勝ち残って行くためには勝負だと思っているので、愛される審判員になって欲しい」
現在1軍の審判員は48人、90年以上続くプロ野球で県出身の審判員はまだいません。
惣元さんは今年、独立リーグの「BCリーグ」に派遣され技術を磨きます。
夢は富山初のNPB審判員です。
惣元さん「まずは正確な公平で尚且つ審判員は威厳もないとダメなのでオンオフをしっかりできる審判員を目指していきたい。プロ野球においては日本シリーズがやっぱり最高峰だと僕自身も思っているので、日本シリーズに立ちたい、目指していきたい」
今年は研修審判員から2人が育成審判員に。育成審判員から同じく2人が正審判員に昇格しました。