病乗り越えテニス競技に出場「恩返しできる絶好の機会」27日開幕 “日本スポーツマスターズ”《長崎》
27日に県内で開幕する『日本スポーツマスターズ』。13の競技を県内10の市と町で実施します。
そのうち テニス競技には、病を乗り越え優勝を目指す男性が出場します。
(テニスコーチ 松永 雅俊さん)
「必要以上に引きすぎると、こっちが邪魔になる」
テニスコーチの松永 雅俊さん 39歳。
県内各地で、小学生から70代まで幅広い世代の選手に指導を行っています。
(指導を受ける 松田トミ子さん)
「(コーチの指導は)丁寧。妥協せずにきちんと教えてくれる」
(テニスコーチ 松永 雅俊さん)
「上手くなる目的が生徒それぞれで違うので、どうやったら生徒に(指導が)入ってきやすいか、常に考えながらやっている」
アマチュアのプレーヤーとしても活動している松永さん。
強烈な「フォアハンド」を武器に約12年間、実業団で活躍しました。
(テニスコーチ 松永 雅俊さん)
「破壊力だけだったら、誰にも負けない自信はある。プロ相手にも自分のフォアは通用してきたし、フォアだけの打ち合いだったら負けなかった」
国体にも出場するなど活躍を続けていましたが、今から6年前 病が松永さんを襲います。
(テニスコーチ 松永 雅俊さん)
「何の前触れもなく、突然 頭をハチマキで締め付けて握りつぶされるような痛みと、上半身の筋肉の硬直、吐き気で動けなくなった」
発症から1か月後、複数の病院での検査を経て診断されたのは「脳脊髄液減少症」。
脳や脊髄のまわりを流れる液が漏れ出すことで頭痛や、めまいなど様々な症状を引き起こす病気です。
約4年間の闘病生活を経て、徐々に症状は回復しましたが…
(テニスコーチ 松永 雅俊さん)
「(主治医から)「完治」という表現は使われていない。「ほぼ改善」という言い回しをされているが、完治するまで待っていてもしょうがないし人生1度きりなので」
病気の影響もあり、それまで務めていた銀行を退職しましたが、病状が回復した2021年からは、テニスコーチとしての活動を始めます。
選手としては、おととしの「日本スポーツマスターズ」県予選で復帰。
4年ぶりの大会でしたが、いきなり優勝を果たすと全国大会でも準優勝に輝きました。
(テニスコーチ 松永 雅俊さん)
「うれしさと感動はありつつ、決勝で負けて『準』がつく優勝は、やっぱり悔しかった」
去年の秋はケガに見舞われ、右手人差し指の神経を損傷。
指先の感覚が鈍くなったものの、県大会を勝ち抜き、全国大会への出場権を勝ち取りました。
(テニスコーチ 松永 雅俊さん)
「ハンデがある状態で活躍できれば、いろいろと苦しんでいる人たちの力になれるのでは」
『日本スポーツマスターズ長崎大会』のテニス競技は、28日から長崎市で行われます。
度重なる困難を乗り越えた松永さん。目指すは地元での頂点です。
(テニスコーチ 松永 雅俊さん)
「実業団時代から(スポーツマスターズで)日本一をとるという目標があったから、(闘病も)頑張れた。
今までいろいろな人にお世話になって、今の私がいるので。恩返しできる絶好の機会」
27日に開幕する『日本スポーツマスターズ』。
県内10の市と町で、来月1日まで熱戦が繰り広げられます。