ランナーたちはどんな思いで42.195キロに挑むのか…1万人が目指したフィニッシュ地点で聞いたそれぞれの「走る理由」
今年の愛媛マラソンをCH.4目線で振り返り!きょう注目するのは“フィニッシュ地点”です。フィニッシュ直後のランナーに直撃すると…様々な思いでフィニッシュを目指すランナーの姿がありました。
静岡県浜松市から初参加:
「非常にもてなしもいいということを聞いたので」
仮装姿の男性:
「ポンジュースが好きなので100円ショップの使って作りました」
初マラソンを友人が応援:
「レッツ完走!」
スタートを前に1万人のランナーのワクワクとドキドキが充満したメイン会場。
白鳥姿でベストタイム更新なるか!?10年前に父が来た衣装を受け継いで
お、こちらも気合いが入っていますね~。
神野晴生さん:
「これは白鳥です」
愛媛マラソンは去年に続き2回目、白鳥姿は今年が初!という神野晴生さんと宇高倫太朗さん。
「僕の父もマラソンしてて一回白鳥で走ってベストタイムが出たと聞いたので」
お父さんも白鳥…?
今から10年前の映像…当時、コスプレ住職ランナーとして紹介されていたこちらの方が、晴生さんの父で今治市・大島の海南寺の住職、神野恵さんです。
神野恵さん(父):
「僕は今はコスプレ抜きではフルマラソンは完走できないと思います」
神野ともみさん(母):
「正直、恥ずかしいです」
神野恵さん(父):
「今年はこれで出ます」
2014年の第52回大会に白鳥姿での出場を決めた父。当時9歳だった晴生さんも兄弟と一緒に写っていました。
この白鳥姿で臨んだ大会で父の恵さんは見事、当時の自己ベスト3時間33分24秒を叩き出したといいます。
そして10年後…今度は息子が白鳥姿になり父の“お下がり”を着て自己ベストを目指します。
神野晴生さん:
「4時間切り目指して頑張ります!」
清家アナ:
「一万人のランナーはここフィニッシュに向けて走ります。どんな思いでフィニッシュを目指すんでしょうか」
歴代2位のタイムで、トップランナーが最初のフィニッシュテープを切ったのを合図に、フィニッシュ地点には次々とランナーが帰ってきます。
2人そろって出場!きのう結婚報告を終えたばかりのカップルは
トップランナーのフィニッシュから40分。ナンバー10156、こちらの男性。
「今回お付き合いしている人と一緒に走りました」
愛媛マラソンは初挑戦。今回、大洲出身の彼女とともに出場したという河原大基さん。
「実はお付き合いをしている方のご両親に昨日ご挨拶に行ってきました。結婚の報告をしてきた次の日のマラソンだったので」
去年12月に交際中の彼女・鈴果さんにプロポーズ、そして昨日、結婚のあいさつへ…
Q.ドキドキ度合いとしてはどちらが高かった?
「やはり挨拶の方がドキドキしました」
大基さんのフィニッシュから30分、鈴果さんも無事に完走です。
大基さん:
「よく頑張ったー!頑張ったね!お疲れ様」
鈴果さん:
「きつかったね」
2人とも自己ベストでのフィニッシュとなりました!
鈴果さん:
「明日両家で顔合わせをします。堂々と胸を張ってご挨拶ができると思います」
そして翌日、ランニングウェアから一転、鈴果さんは振り袖、大基さんはスーツに身を包み無事、両家の顔合わせが行われたということです。
今度は、夫婦としての出場を楽しみにしていますね。
子どもたちの期待を背負って 人口270人の島から出場の校長先生は
ゲートの真ん中でフィニッシュしたオレンジの手袋に眼鏡の男性は得能健二さん。
「厳しかったですね~痛みがある状態で走ったので」
得能さんは、全校児童6人、宇和島市にある日振島小学校の校長先生です。
学校では毎週2回朝に5分間走を行い、子どもたちと声をかけ合いながら汗を流してきました。
得能さん:
「すばりって言ったらサブ3.5」
目指した3時間半は…
「結果は3時間44分28秒。今年は子どもたちの応援もあったので何としてでも(3時間半を)切りたいと思っていたんですけど」
目標にはあと一歩及ばずでしたが。
得能さん:
「昼休みに一緒に走っている子がいるんですけど、その子が今日来て応援してくれて一緒にちょっとですけども伴走してくれたのがとても嬉しかったです」
島の小さな小学校、大会前も、大会当日も校長先生の背中を押し続けたのは子ども達でした。
スタートからまもなく5時間。
あ!白鳥が帰ってきました!父親から受け継いだ白鳥の仮装で挑んだ神野晴生さん。
神野晴生さん:
「すごいいろんな人が声援を送ってくれたのでなんとか完走できました。今年5時間を切れたので結構タイムは上がりましたね。やっぱり白鳥を着たら(ベストタイムが出る)ジンクスが」
目標の“4時間切り”とはいきませんでしたが、見事4時間54分6秒の自己ベスト!これぞ“白鳥の水かき”!父も、10年後の息子も…白鳥姿で自己ベスト更新です!
ちなみに白鳥の相方はというと、15キロ地点で残念ながらリタイアとなりました。
制限時間の6時間まで残り1時間。フィニッシュするランナーが一気に増える時間を迎えました。
フィニッシュと同時にサプライズを 妻への想いを胸に走った男性は
左手に布のようなものを持ち、万歳をしてフィニッシュした男性。
「夫婦です」
Q.今手にしているのは?
「妻の方が体調が悪くて現在、それで今後治療が始まりますので、そのために今日頑張りました」
「今度手術することになったので」
去年の年末に病気が見つかったという妻の光代さん。
一緒に闘う気持ちを伝えたい、妻への思いをしたためたメッセージを忍ばせて走り切った42.195キロでした。
妻:「フワッと出したのでビックリして」
夫:「内緒だったので」
妻:「こういうサプライズがあったのかと」
夫:「リタイアしなくて良かった」
二人三脚、病気も2人で闘います。
制限時間まで残り30分、応援ゲストの浜口京子さんが最後までランナーを励まします。
応援に応えるようにここから怒涛のフィニッシュラッシュ!
制限時間残りわずか!見守る家族…パパ間に合うか!?
制限時間が残り10分を切る中、フィニッシュゲートのそばでは…
Q誰が走っている?
「パパです」
走っているのは、愛媛マラソン初出場というパパ・晋也さん。アプリで確認しながら、フィニッシュに近づくパパを待ちますが…制限時間も刻々と迫っています。
Q残り時間は?
妻・永山彩さん:
「あと3分!」
のこり3分。パパ、間に合うか!?
「わー!おめでとうー!おめでとう!」
無事、フィニッシュ!急いでパパのもとへ向かいます。
彩さん:
「おめでとうー!」
晋也さん:
「ギリギリすぎたね。5時間58分2秒なので本当にギリギリです」
彩さん:
「タオルをゲットできた!」
晋也さん:
「ちょうど30キロ地点で妻と子どもが差し入れして応援に来てくれて、それでなんとか完走できました」
娘・環都さん:
「完走してくれて嬉しかったです」
晋也さん:
「来年は5時間半ぐらいで」
彩さん:
「また応援したいと思いました」
1万人あまりのランナーが1万通りの想いで目指したフィニッシュ。
娘:「おめでとう!!」
父:「ありがとうございます、嬉しいです」
アフロヘアの男性:
「5時間59分36秒。現役引退です」
Q.まだまだ上を目指せるような気がしますが?
「悔いなし、体力の限界」
仮装3人:
「完走したぞー!」
女性3人:
「完走おめでとう!ありがとう!!」
ひとりひとりが大切な存在を胸に
石野一樹さん(石川県金沢市から参加):
「地震のこともあってみんな“応援される”とか“応援する”ってすごく響きますよね。石川で一生懸命頑張っている人がいるから『きょうは歩けんな』と思って最後まで走り抜きました」
高田ミナさん:
「みんなから応援メッセージをもらって。しんどい時にこれを握ったら本当にパワーになって頑張れました」
運営する学童保育の子ども達からサプライズでもらったメッセージ入りのタスキ。
34キロ地点でリタイアとなりましたが、タスキが背中を押し続けてくれました。
高田さんの娘:
(お母さんの今日の姿は?)
「かっこよかったです!」
高田さん:
「子ども達から来年はたくさん練習してもう一回がんばれ観たいな連絡をすでに頂いているのでチャレンジ出来たら良いかなと思います」
4か月後に還暦を迎える福田保さん。来週は龍馬マラソンもこの格好で、仲間と共に挑みます。
可部雄大さん(今年の夏パパに):
「性別が先週わかって男の子でした。来年も当選できたらもう子どもが産まれているので、かっこいいところを見せられるように頑張ります」
家族のために…自分のために…故郷のために走り抜いた42.195キロ。
フィニッシュ地点はランナーの、そしてランナーを出迎える人の最高の笑顔が溢れていました。
あすは5000人を超えるボランティアにスタッフ、ランナーを支える人たちに密着です。