どんな音を響かせる? オーディオマニア垂涎「真空管アンプ」を組み立て完成させた男性【徳島】
「真空管アンプ」を知っていますか?
オーディオマニア垂涎のアナログアンプで、デジタルでは決して出せない極上の音を奏でるといいます。
このほど徳島市の男性が、この真空管アンプを組み立て、完成させました。
一体どんな音を響かせるのでしょうか。
(徳島エジソン工房 近藤俊興会長(82))
「このラジオ、ものすごく古いです。製造は戦前だと思います。戦前の品物なので、玉音放送の声が出ています。ここから」
骨董品のような戦前のラジオ、このラジオに使われているのが真空管です。
徳島市の技術者グループ「徳島エジソン工房」。
近藤俊興会長の仕事部屋は、何かの部品が入った箱や訳の分からないケーブルに埋め尽くされ、ラックには段ボールの山。
エアコンの風は、近藤さんには届かない。
箱の中身は近藤さんを魅了してやまないモノ。
(徳島エジソン工房 近藤俊興会長(82))
「きれいな...1962年製」
それは「真空管」。
「徳島エジソン工房」はアナログ機器を愛し、修理する技術者集団です。
会長の近藤さんは今、この真空管を使ったアンプを自らの手で組み立てようとしています。
指先よりも小さな部品を扱う細かな作業の連続ですが、NTTの技術者だったという近藤さんがドライバーを操る手つきは、とても82歳とは思えません。
(徳島エジソン工房 近藤俊興会長(82))
「この一番下にあるものが電源トランス、左にあるのがこれもトランスなんですけど、真空管は直流で動きます。トランスを付けただけでは交流になってますので、この整流管という真空管で整流して、その整流がものすごくきれいになるようにこのチョークトランスを通してきれいに直流を作る」
話し出したら止まらない。
完成すれば隠れてしまう、複雑な回路に美しさを感じるんだとか。
(徳島エジソン工房 近藤俊興会長(82))
「重いんです」
縦45cm、横50cm、1人で運べそうですが、黒い箱に見える出力トランスという部分がとにかく重いんです、総重量約30kg。
(徳島エジソン工房 近藤俊興会長(82))
「各社・各国にそれぞれ300B規格を作っていますが、このウエスタンエレクトリックの300Bに敵うものはありません。このウエスタンの300Bは、落とさないようにひざの上に置いて開けます。ガラスは極力手で持たないようにします。このくぼみが何とも言えない、スタイルの良い真空管は良い音がすると、わたしの先輩が言っています」
真空管は電子にした音声信号を、中の真空で増幅させるためのガラス管です。
かつては電話やラジオなどによく使用されてきました。
しかし、現代では同じ役割を果たす半導体、いわゆるトランジスタにとって代わられ、真空管自体が貴重なものとなりました。
(徳島エジソン工房 近藤俊興会長(82))
「これで300Bが2本挿し終わりました。わたしのオーディオの先輩が小松島にいるが、私の家を昭和60年ごろに建てました。その約40年前に、そのときに『近藤よ、この300Bやるわ』って。こんな高いのくれるのですかって言うと、『新築祝いだろ』って、2本くれました。40年ぶりに出してきて、今年初めて真空管式アンプに使いました。のべ約30時間で完成しました。というわけで、(ウエスタンエレクトリックの真空管)手に入れて40年、作るのに30時間」
40年と30時間をかけ完成した「真空管アンプ」、デジタルには出せない暖かい音を奏でるとか。
中央にはウエスタンエレクトリックの300Bが2本、なんと美しい立ち姿。
果たしてその実力は。
♪おんな風の盆(中村美律子)
(徳島エジソン工房 近藤俊興会長(82))
「ほら出来てスイッチ入れた時に、音が出た時に、作った人間にしかわからん、その喜びは」
真空管の最高峰「ウエスタンエレクトリック300B」、灯りを落とすと幻想的な青い光を浮かべます。
冒頭に紹介した玉音放送を伝えたという戦前のラジオ、まだ四国放送の周波数を捉えられません。
何やら音楽が。
(徳島エジソン工房 近藤俊興会長(82))
「チューニングしながら再生のバリコンを触って、感度が最大になる。あんまり感度が最大になると、ピーという音になる、そのちょっと手前で止めたらこんな音です」
(四国放送「となりのラジオ」)
「検索バーに『四国放送』と入力していただいて、その下のポッドキャストを選んでください」
真空管に魅せられた男は、完成すれば隠れてしまうこの複雑な回路にこそ、見えざる美を見出す。
※「徳島エジソン工房」(088-622-8840)ではアナログ機器の修理を受け付けていますので、直したい物をお持ちの方はお問い合わせください。
オーディオマニア垂涎のアナログアンプで、デジタルでは決して出せない極上の音を奏でるといいます。
このほど徳島市の男性が、この真空管アンプを組み立て、完成させました。
一体どんな音を響かせるのでしょうか。
(徳島エジソン工房 近藤俊興会長(82))
「このラジオ、ものすごく古いです。製造は戦前だと思います。戦前の品物なので、玉音放送の声が出ています。ここから」
骨董品のような戦前のラジオ、このラジオに使われているのが真空管です。
徳島市の技術者グループ「徳島エジソン工房」。
近藤俊興会長の仕事部屋は、何かの部品が入った箱や訳の分からないケーブルに埋め尽くされ、ラックには段ボールの山。
エアコンの風は、近藤さんには届かない。
箱の中身は近藤さんを魅了してやまないモノ。
(徳島エジソン工房 近藤俊興会長(82))
「きれいな...1962年製」
それは「真空管」。
「徳島エジソン工房」はアナログ機器を愛し、修理する技術者集団です。
会長の近藤さんは今、この真空管を使ったアンプを自らの手で組み立てようとしています。
指先よりも小さな部品を扱う細かな作業の連続ですが、NTTの技術者だったという近藤さんがドライバーを操る手つきは、とても82歳とは思えません。
(徳島エジソン工房 近藤俊興会長(82))
「この一番下にあるものが電源トランス、左にあるのがこれもトランスなんですけど、真空管は直流で動きます。トランスを付けただけでは交流になってますので、この整流管という真空管で整流して、その整流がものすごくきれいになるようにこのチョークトランスを通してきれいに直流を作る」
話し出したら止まらない。
完成すれば隠れてしまう、複雑な回路に美しさを感じるんだとか。
(徳島エジソン工房 近藤俊興会長(82))
「重いんです」
縦45cm、横50cm、1人で運べそうですが、黒い箱に見える出力トランスという部分がとにかく重いんです、総重量約30kg。
(徳島エジソン工房 近藤俊興会長(82))
「各社・各国にそれぞれ300B規格を作っていますが、このウエスタンエレクトリックの300Bに敵うものはありません。このウエスタンの300Bは、落とさないようにひざの上に置いて開けます。ガラスは極力手で持たないようにします。このくぼみが何とも言えない、スタイルの良い真空管は良い音がすると、わたしの先輩が言っています」
真空管は電子にした音声信号を、中の真空で増幅させるためのガラス管です。
かつては電話やラジオなどによく使用されてきました。
しかし、現代では同じ役割を果たす半導体、いわゆるトランジスタにとって代わられ、真空管自体が貴重なものとなりました。
(徳島エジソン工房 近藤俊興会長(82))
「これで300Bが2本挿し終わりました。わたしのオーディオの先輩が小松島にいるが、私の家を昭和60年ごろに建てました。その約40年前に、そのときに『近藤よ、この300Bやるわ』って。こんな高いのくれるのですかって言うと、『新築祝いだろ』って、2本くれました。40年ぶりに出してきて、今年初めて真空管式アンプに使いました。のべ約30時間で完成しました。というわけで、(ウエスタンエレクトリックの真空管)手に入れて40年、作るのに30時間」
40年と30時間をかけ完成した「真空管アンプ」、デジタルには出せない暖かい音を奏でるとか。
中央にはウエスタンエレクトリックの300Bが2本、なんと美しい立ち姿。
果たしてその実力は。
♪おんな風の盆(中村美律子)
(徳島エジソン工房 近藤俊興会長(82))
「ほら出来てスイッチ入れた時に、音が出た時に、作った人間にしかわからん、その喜びは」
真空管の最高峰「ウエスタンエレクトリック300B」、灯りを落とすと幻想的な青い光を浮かべます。
冒頭に紹介した玉音放送を伝えたという戦前のラジオ、まだ四国放送の周波数を捉えられません。
何やら音楽が。
(徳島エジソン工房 近藤俊興会長(82))
「チューニングしながら再生のバリコンを触って、感度が最大になる。あんまり感度が最大になると、ピーという音になる、そのちょっと手前で止めたらこんな音です」
(四国放送「となりのラジオ」)
「検索バーに『四国放送』と入力していただいて、その下のポッドキャストを選んでください」
真空管に魅せられた男は、完成すれば隠れてしまうこの複雑な回路にこそ、見えざる美を見出す。
※「徳島エジソン工房」(088-622-8840)ではアナログ機器の修理を受け付けていますので、直したい物をお持ちの方はお問い合わせください。