×

担当記者による解説 県が発表した総額5160億円の2025年度当初予算案【徳島】

2025年2月5日 17:15
担当記者による解説 県が発表した総額5160億円の2025年度当初予算案【徳島】
2月5日に徳島県が発表した、4月からの2025年度の当初予算案について、取材している小喜多雅明記者の解説です。

「2025年度の当初予算案の総額は、2024年度に比べ3.2%、額にして159億円多い5160億円となりました。徳島県財政課によりますと、新型コロナウイルス対策で多額の予算が必要だった2022年を除くと、2004年以降で最も大きい当初予算案となりました。今回、予算が大きな規模となった理由は、就任3年目となる後藤田正純徳島県知事の、将来への投資については積極的に行うという方針のもとに予算案が組まれたことが理由です」

「予算案の中身についてですが、2024年、香港、ソウルと相次いで就航した国際定期便、そして2025年は、大阪・関西万博が開催されることから、県は、2025年を徳島国際化元年と位置付けています。国際シンポジウムや、海外からの集客が見込める人気アニメの『ポケモン』を使った化石博物館の巡回展を文化の森に誘致しました。また、県の認知度をあげる海外プロモーションを積極的に展開する方針で、これら国際化元年の関連予算には、2024年度より54億円多い111億円を計上しました」

「将来への投資という面で見ると、子育て支援について、県では0歳から2歳の保育料を無償とする事業を進めています。3歳以上の保育料は国の制度で無償化となっていますので、県内では小学校に入るまでの保育料が無償となる見込みで、こども子育て関連の予算には2024年度より74億円多い245億円を計上しました」

「人口減少や労働力確保といった面でみると、大阪や京都、兵庫の大学に通う学生が県内企業に就職し移住した場合に、応援金30万円を支給する『徳島わくわく移住支援事業』が計画されました。また外国人材の受け入れを推進するため、就労雇用に関する相談窓口を設置し、外国人の働きやすい環境づくりを支援します。さらに新たな産業の柱として県が進めている『徳島バッテリーバレイ構想』では、関連産業の投資に対し最大で100億円の補助を行い、新規雇用を生み出す事業が進んでいます。『バッテリーバレイ構想』のさらなる推進のため、軽量で柔軟性があり、設置場所の制限が少ない次世代太陽電池『ペロブスカイト太陽電池』の実証実験を県有地で計画しています。これら人口減少対策や、県内就職支援など、人材確保関連に61億円が計上されました」

「公共事業は、総額で711億円と2024年度と比べて20億円増えました。徳島東環状道路の整備促進や高規格道路のインターチェンジと災害時の緊急輸送道路の整備、また地震津波対策として地域の高台への移転への補助事業などが盛り込まれています。また、徳島市中心部のまちづくりとして万代中央ふ頭の一部を緑地にする実証実験や、徳島市住吉と万代町を結ぶ万代橋の建設に向けての詳細設計にも着手します」

「また、合わせて95億7千万円の2月補正予算案も発表されました。国の総合経済対策に呼応したもので、物価高騰対策などが盛り込まれました。また観光振興を目的に、路線バスでキャッシュレス決済が可能となる、交通系ICカードの導入促進事業なども盛り込まれました」

「大きな予算案となりましたが、県の財政課では県税や地方消費税収入が堅調で、ほかの県の貯金にあたる財政調整的基金の残高も2024年度並みに維持できる見通しであることから、財政を圧迫するようなことはないとしています。この2025年度の当初予算案は、2月12日開会の徳島県議会2月定例会に提案されます。この予算が県民生活の向上につながるよう、県議会での丁寧な議論に期待したいと思います」
最終更新日:2025年2月5日 17:15
四国放送のニュース