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【解説】石破新政権始動…能登の復興に向け望むこと 野口さんの目からウロコ

2024年10月1日 18:45
【解説】石破新政権始動…能登の復興に向け望むこと 野口さんの目からウロコ

北國新聞論説委員・野口強さん:
石破総理大臣が誕生しました。決選投票に至る激戦の末に自民党の総裁となり、きょうの臨時国会で順当に選ばれました。難題は山積していますが、いま私たち石川県民が望むことは、何と言っても能登半島地震、それに続く豪雨からの復興に向けて、力強いリーダーシップを発揮してほしいということですね。
きょうのテーマは、こちら。
「石破総理誕生で石川はどうなる」

市川 栞 キャスター:
石破新総理は、これまで防衛や農業問題のエキスパートとして大臣も歴任してきましたよね。

野口さん:
今回の総裁選を通じて、人口減少で地方の衰退が進んでいることから「もう一度、地方の可能性を引き出したい」と地方を重視する姿勢を鮮明にしました。総裁選の中で同僚が本人に聞いたところ、鳥取出身で「立候補した中で日本海側の候補は私だけ」「昔から『裏日本』という表現が大嫌いで、日本海側の可能性を最大限生かしたい」と言っています。

石川県とのかかわりでは、2014年に初代の地方創生担当大臣に就任した時に、「文化の地方創生」として、国立工芸館の金沢移転に力を発揮した。国の施設を地方に移すには、いろんなバリアもあって、難しいといわれていたんですが、この時の文部科学大臣が、現在の馳浩石川県知事。この二人がタッグを組んで移転が大きく前進した。

市川:
工芸館は、今では文化都市の金沢の風情に溶け込んでいますね。

野口さん:1つ目の、目からウロコです。
「能登の複合災害手厚い支援素早く」

総理になって、特に力を入れたい政策としては、石破さんは迷わず「防災」を挙げています。

市川:
さっそく手腕が問われるのが能登半島地震の復興への取り組みですね。

野口さん:
先の北國新聞の取材では、色紙に「着々寸進 洋々万里」という座右の銘を書いて、「一歩ずつ前に進めば、大海原のように未来が開けてくる」と意味を添えて、能登復興へエールを送ってくれた。岸田内閣では、地震への対応として、予算の中から不測の事態が起きた時に比較的自由に使える予備費を充て、計6回、合わせて約6600億円を支出しました。月1回ペースで支出される異例の対応で、復興に向けた手厚い後ろ盾になった。

市川:
石破さんもこれを受け継ぐ方向なんですよね。

野口さん:
ただ、9月に奥能登では記録的豪雨に見舞われ、まさに「複合災害」といった状況です。とりわけ、地震と水害で出た膨大なごみをどう処理するか。しかし災害が異なるため、別々に処理せざるを得ないので、地元の負担が大きい。こうした点もトップの迅速な判断を期待したいですね。

馳知事は、自民党総裁に決まった日に石破氏に電話を掛け、「能登半島に足を運んでください」とお願いし、石破さんは「いつ入ったらいいか教えてほしい」と言ったそうですが、二人の信頼関係も厚いようです。

市川:
能登の視察は早いかもしれませんね。
野口さん:
2つ目の、目からウロコです。
「新幹線の大阪開業「とにかく早く…」」

石破さんは、鉄道オタクとしても有名で、何年か前に小松市を視察した時には、小松駅近くの公園に保存されているボンネット型の特急車両を見学して、運転席に乗ってご満悦だったそうです。

北陸新幹線を大阪まで伸ばす時に、従来の計画にある小浜ルートでは費用の増大や工事の大幅な遅れが見込まれ、米原ルートに変更する案が浮上しています。この問題も、石破さんはご存じで「とにかく早く整備しなくてはならない」との認識は持っているようです。

敦賀での乗り換えなどもネックになって、新幹線で関西から金沢に来るお客さんが減ったという調査もあって、石川では早く大阪へつなげたいという思いが募ります。県内に活力をもたらす意味で、被災地の復興と新幹線の延伸はリンクしています。

市川:
地域活性化への石破新総理の手腕に期待したいですね。

野口さん:
さて今月末に解散総選挙が行われます。場合によっては、政界再編も予想されるだけに、政治の行方、私たちも真剣に見つめたいですね。
市川:
ありがとうございました。野口さんの目からウロコでした。