被災した航空石川ナインがセンバツへ向け徳島で合宿「やれることを全力で」
元日の地震で被災した日本航空高校石川の野球部が春のセンバツ高校野球大会に向けて、四国に事前合宿に訪れ、現地で練習を始めました。
朝、宿舎から球場まで元気に走りこんできたのは航空石川の野球部の選手たち。
航空石川の野球部員35人は今月3日、徳島県阿南市に入り春のセンバツ高校野球大会に向けた合宿を始めました。
当日は、集まった市の職員や地元住民らから歓迎を受けました。
「もっと暖かいと思っていた?」
「はいもうちょっと暖かいと思っていた」
「お昼になったらポカポカになるよ」
航空石川 寶田一慧 主将:
「野球ができることが当たり前じゃないということを実感したことでこのような素晴らしい所でできるのはありがたい」
航空石川は、去年秋の北信越大会でベスト4に進み、北信越の代表校に選ばれていますが、元日の地震で被災した後、野球部は山梨県にある系列校に避難し、練習を重ねてきました。
「元気出していこう」
練習が始まると、選手たちのハツラツとした声が球場中に響き渡ります。
航空石川 中村隆 監督:
「震災が起きた当初は本当にどうしていったら良いのだろうと野球をやっている場合じゃないという気持ちになった」
「全国から支援や声援をいただき今できている」
「当たり前が当たり前ではなくなった現実があるので日々の小さなことに感謝をしたい(選手たちに)高校生らしく元気はつらつと野球を通して我々がやれることを全力でやっていこうと」
徳島県の阿南市はセンバツに出場する北信越地区の高校の合宿地として、2011年から受け入れを続けています。
練習の合間には地元の婦人会などが部員たちに配膳し、もてなす場面も見られました。
「みなさん美味しいですか」
「たまんないです」
「甲子園でがんばってくださいよ」
地元婦人会のメンバー:
「美味しいって喜んでくれてうれしいです」
「疲れとるかなと思ったが疲れとる様子もなく元気そうで」
4日の午後には、地元・徳島の那賀高校との練習試合も行われました。
航空石川はあすまでの合宿期間中、そのほかの現地の高校との練習試合も予定しています。
この日の試合では初回、航空石川の4番、荒牧選手にホームランが飛び出しました。
観客:
「とても練習試合とは思えないぐらいみなさん声を出しているし大変なことがあったと思うが彼らのプレーを見ていると逆にこっちが元気をもらう」
甲子園に向けた調整は順調のようです。
那賀高校野球部 五島 脩 主将:
「ランナーに出た時自分はショートにいたがまだ実家に帰れてないと話してくれた。他人事ではないので石川のみなさんを応援したいと」
航空石川 4番 荒牧拓磨 選手:
「(阿南は)親切でいっぱい話しかけてくれて話しやすい人が多い印象だった」
「(センバツでは)全力プレーで4番としてホームラン打ちたい」
練習の後には歓迎会も開かれ、阿南市やJAのほか地元出身でオリックスの杉本裕太郎選手からのサイン色紙などさまざまな品が贈られました。
航空石川 寶田一慧 主将:
「素晴らしい環境やたくさんの支援してもらいありがとうございます」「阿南市の人たちの思いに応えられるようにしっかり甲子園でも恩返しできるようがんばりたい」
地震を乗り越え、ひたむきに野球に打ち込む航空石川ナイン。
春のセンバツはあす組み合わせ抽選会が行われ、18日に開幕します。