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県議会委員会で審議 入札不調の“スポコン”「場所の見直し考えず」 現時点での計画が最小限の規模

2024年10月1日 19:44
県議会委員会で審議 入札不調の“スポコン”「場所の見直し考えず」 現時点での計画が最小限の規模
 県がドルフィンポート跡地に計画するスポーツ・コンベンションセンターは建設費の高騰などの理由で入札に参加する業者がおらず、成立しませんでした。県は事業費や計画内容の見直しが避けられませんが1日に開かれた県議会委員会で、県の担当者は、「場所の見直しは考えていない」との認識を改めて示しました。

 県が鹿児島港本港区のドルフィンポート跡地に計画する「スポーツ・コンベンションセンター」は予定価格313億円を提示し2024年4月に入札を公告。2つの事業者グループから参加の表明がありましたが、入札日である9月27日にそれぞれから県に辞退届が出され、入札参加の業者のいない不調となりました。

 1日の県議会・文教観光委員会で議論が交わされました。

(自民党 伊藤浩樹委員)
「不調となった部分の中でまた色々な声が上がっているこの場所の問題、ドルフィンポート跡地という形で基本構想にも記されている。この場所を変更する気持ちはあるのかないのか」

(県・観光文化スポーツ部 西正智部長)
「今回の事業者間のヒアリング等を受けて整備予定地がドルフィンポート跡地であるということが入札書の提出に至らなかった要因ではないと今のところ聞いている。整備予定地を見直すことは考えていない」

 ほかの委員からは機能や規模の見直しを求める声が相次ぎましたが、県は「現時点での計画が最小限の規模」とし、見直しは困難という認識を改めて示しました。

 県は入札への参加を表明していた事業者グループなどにヒアリングを行い、不調に至った要因を精査するとともに、ほかの県の事例も参考に整備や運営を一括発注する「PFI方式」を見直すかどうかなど検討していきたいとしています。

 また、1日の委員会では、鹿児島港本港区の住吉町15番街区についてバンケット機能を持ったホテル敷地としての活用を速やかに検討してほしいという陳情が採択されました。

 県は2年前に策定した基本構想で、住吉町15番街区を体育館の駐車場と位置付けていましたが、塩田知事は今の議会で、「議会の理解が得られた場合、MICE施設やホテル、会議場などにしていきたい」との認識を示していました。この陳情が採択されたことで、住吉町15街区は駐車場ではなくホテルの敷地として活用される見通しとなりました。

 住吉町15番街区を巡っては、鹿児島市与次郎の鹿児島サンロイヤルホテルが移転を希望していますが、塩田知事は事業者を公募する考えを示しています。