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「監督がベンチに座らない大会」子供だけで作戦会議や選手交代 子どもたちの変化に指導者は…

2025年3月10日 19:20
「監督がベンチに座らない大会」子供だけで作戦会議や選手交代 子どもたちの変化に指導者は…

 鹿児島市で9日、少し変わった小学生のバスケットボール大会が行われました。その名も「監督がベンチに座らない大会」。監督がいない中、子どもたちにはどんな変化があったのでしょうか。

 鹿児島市で9日行われた「監督がベンチに座らない大会」。小学生のバスケットボールチーム3チームが参加しました。子どもたちの自主性を育むもうと企画された大会で監督はいません。

(大会運営代表・田原直弥さん)
「戦術、戦略、自分たちでやってみてください。誰が交代して誰が指示をするのか自分たちで決めます」

 吉野東と花野の試合は吉野東がリードして、ハーフタイムに。巻き返したい花野のベンチを覗いてみると…。

(子どもたち)
「交代を入れた方がいい」「3クオーター交代できん」「4クオーター」

(子どもたち)
「打てるなら打っていい。外してもシュートのリバウンドにはいくから」

 意見やアドバイスを活発に言い合っていました。コートに出る1人1人に声をかける選手も。

(子ども)
「ファイト!」

 ハーフタイム中の作戦会議が実り、後半、花野が追い上げます。すると、吉野東も負けじと子どもたちが自ら選手交代を申告します。

(子どもたち)
「タイムタイム」「タイムアウトでお願いします」「ちがうちがう!交代」「交代です」

 監督たちは、自分たちで試合を進める選手たちをほほえましく見守っていました。試合は31対15で吉野東が勝利。ここからも、この大会ならでは。声を出す、作戦を考える、チームをまとめるなど、個性を発揮した選手がMVPとして、それぞれのチームから1人ずつ選ばれ、金メダルが贈られました。

(花野バスケットボールスポーツ少年団5年生・桑迫真生さん)
「初めてのMVPだったので、すごくうれしい。タイムアウトや交代や、色んな所を自分たちの思うようにできるところがすごく楽しかった」

 子どもたちの変化を感じていたのは、保護者や指導者でした。

(保護者・桑迫伸吾さん)
「こんなに声出して、自分たちで試合を盛り上げている様子はあまり最近見ていなかったので、いい大会だなと思って見ていた」

(花野バスケットボールスポーツ少年団・永田美奈子HC)
「きょうは意外と積極的にパス回しも上手にできました。おおらかな気持ちで見ないといけないなと思った。なんだできるんだと思ってこの子たちは」

(大会運営代表・田原直弥さん)
「スポーツを通して本当に考える力が高ければ高くなるほど、スポーツ界じゃなくても学校でも社会でも活躍できる人材になっていくと僕も考えているので、自らこのピッチの中で自分たちで子どもたちの中で考える経験をたくさんしていくことができるような時間になっていったらいい」

 監督がいない中、自主的にそれぞれの力を発揮した子どもたち。大きな成長につながったようです。

最終更新日:2025年3月10日 19:29