【特集】住民の熱い思いで…蒸気機関車SL「シゴハチを後世に」解体から一転保存に<宮城・大崎市>
雪景色の中をもくもくと煙を立ち上げながら走るSL。
これは1970年代に大崎市内で撮影された陸羽東線の映像。
大崎耕土で育った美味しい米を全国へと運んだC58形=シゴハチ。
陸羽東線での蒸気機関車の運転は1973年、約50年前に廃止された。
JR西古川駅近くの公園には地域の発展に貢献したSLを当時の国鉄から無償で譲り受け1974年から展示してきた。
地域住民
「私と私の子ども、孫と3世代が楽しんだ」
「長い間ご苦労さん。地域とともにあったということで」
しかし、老朽化が進み修繕や維持に多額の費用がかかることから去年12月に住民に惜しまれつつも解体された。
陸羽東線シゴハチ歴史保存会 大場正明 代表
「ここにも機関車があったんですけど無くなっちゃいましたね」
その場所を案内してくれたのは保存会の代表を務める大場正明さん(36)。
陸羽東線シゴハチ歴史保存会 大場正明 代表
「小さい頃から蒸気機関車が大好きでしたので、形あるものが無くなった事がとても寂しく思います」
大場さんたちが参加する保存会はおととし2155人の署名を大崎市長に提出するなどシゴハチを後世に残そうと活動を続けてきた。
大崎市にはSLの廃止後、古川と岩出山・鳴子温泉の市内3か所で展示されてきたが、古川と鳴子温泉の2か所は去年とおととしに解体された。
しかし岩出山・城山公園のシゴハチは保存されることになった。
行政を動かしたのは住民の熱い思いだった。
陸羽東線シゴハチ歴史保存会 大場正明 代表
「こちらが私の宝物になります。岩出山のSLの本物のナンバープレートになります」
小さい頃からあこがれたSL。
大場さんは仲間と共に立ち上げた会で、シゴハチの保存に向け地域の歴史を後世に伝えたいとインターネットなどを通して活動を始めた。
陸羽東線シゴハチ歴史保存会 大場正明 代表
「歴史のあるものを大人たちが真剣になって守れる誇りのある郷土であってほしいという思いが強くて保存運動を立ち上げたのが大きかったです」