【中継】涙ながらに惜しむ客も「S東美」 閉館時間の直前、売り場の様子と社長の思い《長崎》
2月29日で閉店をする長崎市浜町のS東美に来ています。
午後6時を過ぎてもこの人だかりです。多くの人が訪れています。
私も取材をしながら、本当に多くの人に愛されたお店なんだと実感をしています。
こちらエスカレーターの前には「58年間のご愛顧 ありがとうございました」という佐々木社長のメッセージが置かれています。
私が取材をする中でも、従業員の方とお客さんが「ありがとう」と言葉を交わし合うような、そんな素敵な姿も見られました。
(店内奥へ進むと)かなり人が多くなっていますね。エスカレーター横には、歴史を振り返られる写真展になっています。
(皆さんも足を止めて)写真を撮ったり、じっくり眺められて、思い出を懐かしむような、そんな姿が見られます。
ここからは東美の佐々木達也社長にお話を伺います。
最後の一日を迎えた今のお気持ちはいかがですか?
(S東美 佐々木達也社長)
「長くお客様にお使いいただいて、感謝の気持ちと、頑張ってくれた社員にも感謝の気持ちでいっぱいですね」
ここまで58年間、どんな思いで店を続けてきたのですか?
(S東美 佐々木達也社長)
「一貫して私どもは、お客様の普段の生活のお手伝いをしたいということを思ってまいりましたので、そこに徹して徹底的にやってきたつもりです」
たくさんのお客さんと話したと思いますが、どんなお話をしたんですか?
(S東美 佐々木達也社長)
「結構 泣いてしまうお客様までいらっしゃいまして、本当にさみしいと。私たちはどこに買い物に行ったらいいんですかと。私が泣くよりもお客様に泣かれてしまいまして、本当 申し訳ない気持ちでいっぱいです」
特に地下1階の生鮮食料品売り場は、本当に朝から人が押しかけていましたね。
(S東美 佐々木達也社長)
「もうすっからかんに売り場がなってしまいまして、ここまですっからかんになるとは思ってなかったんです。かなり商品は投入していたけれど、我々の想像以上に、東美が最後だからということでお客様が大変たくさんお越しいただいたおかげだと思っています」
2階の衣料品を販売しているところも “売り尽くしセール”ということで、ほぼ商品がなくなっている状況だと伺いました。
この1か月間、セールを行っていたんですよね。
(S東美 佐々木達也社長)
「主には最後の2週間、販売させていただきました」
こちら2階のフロアはほとんど商品が残っていませんね。
(S東美 佐々木達也社長)
「何にもなくなってしまいまして、それでもお客様に来ていただいてました。
商品がたくさんあったところからたくさんのお客さんがいらっしゃって商品もなくなりましたが、今このフロアを見てどんな思いですか?
(S東美 佐々木達也社長)
「こんなに最後までお買い求めいただいて、本当にありがたい気持ちでいっぱいです」
社長は2階には思い出があるということですが、どんな思い出なんですか?
(S東美 佐々木達也社長)
「私はS東美に入社して最初に配属されたのがここ2階の売り場で、紳士服売り場だったんですけども、その当時は商品がよく売れていました。補充しても補充しても足りなくて、段ボール箱から売り場の平台の上にひっくり返して投げ込んで、お客様が奪い合ってお取りになる、お買い求めいただくというぐらい。よく言葉でいう "飛ぶように売れた” という時代だったと思います。
社長の思いもたくさん詰まっていますね。58年間の歴史が詰まったこの場所も、午後7時に閉店となります。
【NIB news every. 2024年2月29日放送より】