鉄道ファン待望! 「特急やくも」の新型車両 観光列車「あめつち」が木次線に乗り入れ開始 鳥取県・島根県
鉄道ファン待望の新型車両がついにデビューです。山陰と岡山を結ぶ「特急やくも」の新型車両が、4月6日に運行を開始しました。
JR出雲市駅で行われたセレモニーでは、島根県の丸山知事やJR西日本の関係者のほか、車両の設計を担当した川西康之さんが出席しました。
新型やくも デザイナー 川西康之さん
「新しいやくも号は、おそらく30年40年お使いになると思います。鉄道やくも号に関わることで、地域の皆さんがより幸せになる、未来に希望が持てる。そんな電車にしたいと切に願ってつくりました」
新型やくもは、初日から全席が完売する人気ぶり。その姿を一目見ようとホームには大勢の人が駆け付けました。ブロンズカラーと丸みのある車体が特長の新型273系やくも。車内は乗客を飽きさせないよう、明るく開放的な空間に。さらに特徴的なのが、通常座席に加えて用意されたボックス席です。下の部分をスライドさせると、なんとフラットシートに。設計した川西さんは、以前日本海テレビの取材に、そのこだわりの理由を説明していました。
「新型やくも」設計を担当 川西康之さん
「携帯電話が山間部で通じないということもあり、寝るお客様が多いように見受けられました。このやくも号に乗ったら“山陰の我が家”とお感じいただきたいと思ってデザイン致しました」
新型やくもは当面、1日15往復の運行のうち6往復を担い、6月15日からはすべて新型に切り替わる予定です。
訪れた人
「かっこよかったです。観光しに岡山に行きたいです」
「揺れとか新しいやくもを感じることができると思うので、それと新しい風を吹き込むことに期待をしています」
一方、この日は線路内に人が立ち入り、新型やくもの一部の便に遅れが生じる事態も。付近には鉄道ファンに人気の撮影スポットもあり、JR西日本が注意を呼び掛けています。
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また、こちらのブルーの列車も、大勢の人に迎えられて登場です。島根県奥出雲町の出雲横田駅に到着したのは、JR山陰本線で人気の観光列車「あめつち」。去年11月に引退した奥出雲おろち号の後継列車として、4月7日からJR木次線への乗り入れが始まりました。
見に来た人
「かっこいいです」
「きれい。乗ってみたいと思いました」
米子-出雲横田間を1日1往復するあめつち。島根県松江市の宍道駅から木次線に乗り入れ、出雲横田駅で折り返します。7日は定員59人の全席が満席だったということです。
乗客
「感無量です。ずっと奥出雲おろち号もラストまで乗っていましたから」
「良かったですよね。景色もきれいだったし、桜もきれいで」
折り返しの出雲横田駅では記念のセレモニーを開催。30分の停車時間に地元の太鼓チームによるパフォーマンスが披露されました。また、沿線の飲食店も数多く出店。奥出雲おろち号が引退した今、あめつちの乗り入れ開始はにぎわい創出のまたとないチャンスでした。
沿線に店を構える人
「(おろち号の引退後)列車を見に来られる方もいらっしゃらなくなったり、町が静かな雰囲気になっていきました。歓迎ムードを高めることが町として必要。いらっしゃったお客さまにはしっかりとお出迎えをしたい」
木次線の今後が懸念されるなか、あめつちの登場が路線存続の足がかりとなるのか、大きな期待がかかっています。