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交通事故の現場に救急車が遅れて到着… 出動指令の確認不足が原因か 搬送されたけが人の治療には影響なし 鳥取県

2025年3月10日 17:13
交通事故の現場に救急車が遅れて到着… 出動指令の確認不足が原因か 搬送されたけが人の治療には影響なし 鳥取県

鳥取県中部の1市4町がでつくる「鳥取中部ふるさと広域連合消防局(中部消防)」は3月10日、山陰道で3月8日に起こった交通事故について、救急隊の出動が遅延する事例があったと発表しました。搬送されたけが人の治療などに影響はなかったということです。出動指令の確認不足が原因だったとみて、調査を進めるとともに、再発防止策の検討を行う方針です。

中部消防によりますと、8日午後3時前、鳥取県湯梨浜町の山陰道で事故があり、救助を求める通報があったということです。消防局の指令課は午後3時3分に救助車両2台と救急車1台(倉吉消防署所属)に出動指令を出しましたが、救急車は出動せず、現場への到着が遅れました。

指令を受けた3台のうち救助車両2台は、10分後の午後3時13分には事故現場に到着した一方、救急車は現場に現れず、指令課は午後3時17分になって別の救急車(湯梨浜消防署所属)に出動を求めました。その5分後、午後3時22分になって倉吉消防署の救急車は現場に着いたということですが、午後3時3分から14分間にわたり、対応が宙に浮いた格好です。

事故では高齢男性が胸の打撲などで救急搬送されていますが、命に別条はありませんでした。搬送先の医師は「診察結果から、医療機関収容の遅れが傷病者の予後に影響を及ぼすものではない」と対応の遅れが男性の治療などに影響したことはないという見解を示しているということです。

指令課からの出動指令は、対象となる消防署全体に発信されており、今回のケースでも指令の内容は伝わっていて、連絡に使う設備に問題はありませんでした。中部消防では、出動の遅れが指令課と倉吉消防署の確認不足に起因するとみて、調査を進めています。

今回、湯梨浜消防署の管内の救急事案でしたが、湯梨浜の救急車が別の事案で出動中だったため、倉吉消防署の救急車に指令が出されたということです。こうした管轄をまたぐ対応は一般的に行われているということで、倉吉の救急車にも出動指令は伝わっていました。中部消防は今後、倉吉の救急車の出動が遅れた原因を特定し、必要に応じて、再発防止策を講じる方針です。

中部消防は出動の遅れに対し「傷病者と家族に対し、おわび申し上げます。全職員に対し、出動指令の確認を徹底するよう指示しました」とコメントしています。

最終更新日:2025年3月10日 17:21