社員は高校生!「マツノイズムプロジェクト」人口減少進む町でふるさと活性化に一役
地域福祉などの分野で貢献のあった個人や団体に贈られる南海放送賞。シリーズで今年度の受賞者を紹介しています。
きょうは「高校はないけど高校生はいる」をキャッチコピーに、松野町の高校生たちが立ち上げた法人、「マツノイズムプロジェクト」です。
テーブルに並んだ梅そうめんに…桃のジャム。これらは全て松野町の特産品です。
高校生:
「これは、ふるさと納税の中に入れる商品(返礼品)です」
ふるさと納税の寄付額が県内で最も少ない松野町。町の税収アップにつなげようと、去年、新たな返礼品の開発に乗り出したのが、おととし、松野町出身の高校生13人が設立した町おこし法人マツノイズムプロジェクトです。
理事長は宇和島東高校3年の井上弘一朗さん。高校1年生から3年生まで松野中学出身の17人の“社員”を率います。
マツノイズムプロジェクト井上弘一朗理事長:
「松野町は高校がないので、高校生になっても、松野町で活躍できる場をと思い」
8年前から小・中学校を通じて起業家教育を行っている松野町。中学3年生になると全員が仮想の会社「株式会社松野中学校」に入社し、シイタケの生産管理や広告宣伝に携わり、社会の仕組みを身につけます。
また地域との結びつきも深く、中学生が町内のさまざまな場所に出向いて清掃活動を行うプロジェクトがあるほか、お年寄りと手紙のやりとりをするといった活動も盛んに行われています。
松野町に高校はありません。町外の高校に進学した井上さんたちは、引き続きふるさとの活性化に携わりたいとの思いからマツノイズムプロジェクトを立ち上げました。
キャッチコピーは「高校はないけど、高校生はいる」。町内で30年以上前に開かれていた伝説の音楽祭を復活させ、出演者の手配やキッチンカーの出店交渉なども自分たちで行いました。
井上さん:
「地元のアーティストが、演奏している音楽を聴いている地元の住民のみなさんが涙を流して喜んでくれた。そういうジーンとする瞬間を自分たちは作ることができた。松野町に少しでもいい風を吹かすことができたと思っている」