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「三つ子の魂百まで」ってどう解釈する?抱きグセがつくって本当なの?親世代と祖父母世代の“常識”の違いにみる子育ての今と昔

2023年10月21日 0:00
「三つ子の魂百まで」ってどう解釈する?抱きグセがつくって本当なの?親世代と祖父母世代の“常識”の違いにみる子育ての今と昔
時代と共に子育てを取り巻く環境も変化している

時代と共に子どもと親を取り巻く環境や情報も変化し、子育ての“常識”も「昔」と「今」とで変化しています。筆者も今年第一子を生み、自分の親から聞かされてきたこととは全く違う価値観に戸惑う瞬間が多くあります。産婦人科での育児指導でまず驚いたのは、赤ちゃんのスキンケアについてでした。昔はお風呂上がりなどにベビーパウダーをまぶすのが一般的でしたが、今はベビーパウダーの多用は汗腺を塞いでしまうとして、ローションやクリームで保湿することが“常識”となっています。古くから言われる「三つ子の魂百まで」ということわざについても、だからこそ幼少期から「しっかりとしつけをすることが大切」なのか、「たっぷりと愛情を注ぎ、親と子の絆をより深めることが大切」なのか、解釈が多様化してきているような気がします。

今と昔の“常識“から紐解く世代間の子育てのギャップ

まず、古くから言われてきた「抱きグセ」について。祖父母世代にとっては“泣いている赤ちゃんをすぐに抱っこすると、抱きグセがついて抱っこをしないと泣き止まないようになる”というのが常識でした。実際私が、泣いている子どもをすぐに抱き上げようとすると、母親に「抱っこされないと泣き止まなくなるといけないから、少しは放っておいた方が良いんじゃない?」と言われます。

しかし現在、産婦人科では、赤ちゃんが泣いたときに親が応えようとすることで信頼関係が育まれるため、ためらうことなくたくさん抱っこしてあげるよう指導されています。

乳幼児保育などを専門とする松山東雲短期大学の加納章准教授は。

「抱きグセがつくということは無いし、いくら抱っこしても、し過ぎることはありません。基本的に意識が外に向いている子どもが抱っこを求めるのは、安心したいから。安心安全の確保は心の安定に繋がっていきます。また、ただ抱くのではなく、丁寧に愛情を注いであげてほしいです。ずっと抱っこするのは重いし、困るのは大人の方なんですよね。子どもの視点で考えてあげることも大切です」

「最新の情報が常に変わっていく中で、いつの時代も子どもに良かれと思ってやっていることに変わりはありません。ベビーパウダーも絶対良くないわけでなく、部分的につけるには有効なこともある。今、自分の子には何が必要なのかを考えてほしいと思います」

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