冠水被害から街を守れ 今治市とBEMACが「AI治水監視システム」を開発
いわゆる“ゲリラ豪雨”などの大雨による冠水被害から街を守ります。愛媛県今治市の企業が、AI技術を活用し川の水位の急激な上昇を事前に予測するシステムを開発しました。
今治市とともに新たな治水監視システムを開発したのは、今治市に本社を置き、航行中の船の異常をAIによって察知するシステムなどを手がけるBEMACです。
BEMAC 小田雅人社長:
「これまであまり災害が起こっていなかった地域。ここにも集中豪雨、台風、水害などの被害を引き起こしています。この今治市も例外ではございません」
今治市では去年11月、1時間におよそ120ミリの雨を観測し、気象庁が「記録的短時間大雨情報」を発表。
市内の鳥生地区では用水路から水があふれ、道路が冠水する被害が発生しました。
おととしにも短時間で警報水位に到達し、水が住宅まで押し寄せるなど浸水被害が頻発しています。そこで、鳥生地区で今回導入されたのが。
BEMAC:
「人の予測・判断行動の弱いところをカバーできるのがAIの技術だと思っています」
局地的な雨などにより水位が急激に上昇するのをAIが予測するシステムです。
用水路に設置したセンサーに蓄積したデータと、気象庁が発表する今後降る雨の予測データから水が注意水位や警戒水位に到達するのを1時間前に予測し、市に通知します。
今治市では、これまで水門を開閉する作業を行う地域住民の高齢化や後継者不足が課題となっていて、実際に水位の上昇を確認しながらの判断では手遅れとなるケースが発生していました。
このAI治水監視システム、鳥生地区への本格導入は今年6月となっていて、今治市では冠水被害が頻発している桜井地区への導入も予定しています。