「不便で困ってしまう」タマネギ農家は困惑 輸送能力が1割低下 JR貨物の車両組み立て不正
JR貨物は10日、貨物列車の組み立て作業で、検査データの改ざんなど不正行為があったことを明らかにしました。
国土交通省は午後、特別保安監査に入り、不正の事実関係などを調査する予定です。
JR貨物は10日に会見を開き、室蘭の輪西車両所など3つの車両所で、車輪などを車軸にはめて「輪軸」を組み立てる作業で不正行為があったと明らかにしました。
車輪などを押し込む際の圧力が基準を超えていたにもかかわらず、検査記録表には基準値に収まる数値に書き換えるなど、検査データを改ざんしていたということです。
車輪などを押し込む圧力が基準を超えると車軸に傷がつき、使用を続けると金属疲労の進行が早まって最悪の場合、車軸が折れる可能性があるということです。
不正が確認された車両は貨車560両と機関車4両で、室蘭の輪西車両所では半数以上の309両にのぼります。
JR貨物は不正があった車両の検査を終えるまで運行を停止するため、輸送能力が1割低下する見通しです。
貨物列車でタマネギを本州に輸送している農家からは不安の声が聞かれました。
(タマネギ農家)「タマネギ列車に限らずいろんなものがのって走る列車なので不便、困ってしまう」
国土交通省は午後にも特別保安監査に入る予定で、不正の事実関係や安全管理体制について調べる方針です。