「国庫は火の車」元財務事務次官が講演 山形県勢懇話会例会
山形県勢懇話会の例会が17日、山形市で開かれ、元財務省事務次官の矢野康治さんが講演し「国庫は火の車」と日本の財政状況について論じました。
元財務事務次官・矢野康治さん「将来世代が(大変)という言い方自体が寝ぼけている。国庫が火の車です。そのツケを負う国民が大変になります。これが(今の)財政問題です」
矢野さんは「わが国の財政について~不都合な真実を正視し、打開する」と題して講演しました。矢野さんは初めに、日本の税収と公債発行額に比べた歳出の割合について、オイルショックがあった1975年以降、歳出が大幅に上回る状況が50年続いていると解説。債務残高もアメリカやイギリスなど主要先進国に比べて急速に悪化していると説明しました。また、コロナ対応で財政赤字がさらに深刻化したと指摘しました。
元財務事務次官・矢野康治さん「(コロナ禍以降)ドイツとフランスは増税していないが20~30年かけてコロナ対応で発行した国債を返していくという計画を作った。日本は(増税と返済)どっちでしょう?どっちでもありません。日本は何もやっていません。世界最大のコロナ対策をやっていながら財源措置は0円なんです」
矢野さんは補助金などのバラマキでGDPの成長を促しても財政赤字の状態は変わらないとし、改善するために高齢者にも働いてもらうべきだと持論を展開しました。