参議院選挙まで半年切る 山形県区3人目が名乗り 吉村知事の支援は 4人目の動きも
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ことし夏に行われる参議院議員選挙まで半年を切りました。山形県選挙区には無所属の現職と、自民党の新人が出馬を表明し7日、新たに参政党から新人候補が出馬を表明しました。1月の知事選では対立候補予定者がともに吉村知事を支援し、これまでにない前哨戦を見せています。
1月、立憲民主党と自民党の新人同士の一騎打ちとなった酒田市・飽海郡区の県議会議員補欠選挙。
次期参院選に出馬を予定している無所属の現職・芳賀道也さん(66)は立憲の候補を。自民党の新人・大内理加さん(61)は自民の候補をそれぞれ応援し、自身の存在をアピールしました。
芳賀道也氏「庶民の暮らしの大変さ、苦境がわかっていないいまの政府、与党は終わっている。そんな与党につながる代表を選んでいいんですか、皆さん」
大内理加氏「必ず自民党が総力を挙げて1議席を勝ち取らなければいけない大切な選挙。今からやらなくてはいけないたくさんの事業にしっかり国の力が必要。」
芳賀さんは2019年の参院選で野党統一候補として無所属で出馬し、当時の自民党現職を破って初当選しました。次期参院選には、立憲民主党県連、国民民主党県連、それに連合山形による2党1団体の統一候補として無所属で出馬します。
一方の大内さんは県議会議員を経て、2022年の参院選に自民党の公認候補で出馬しましたが、現職の舟山康江さんに敗れました。次期参院選に向け、去年7月に自民党が再び公認を決め、支援組織づくりを着々と進めています。
吉村知事の実質的な信任投票となった1月の県知事選挙。吉村知事の事務所開きや出陣式の会場に次の参院選で争うことになる2人の姿がありました。
芳賀道也氏「あったかい県政から国全体の政治を変えるくらいの思いで吉村知事は頑張ってくれている。山形から地域からおかしなところは日本の政治も変えていこうではありませんか」
大内理加氏(1月6日のインタビュー)「自民党が吉村知事を支援すると決めたので、しっかり県政と国政が手を結ぶことによって山形県が前に進み、県民の幸せにつながるのであればと」
自民党県連は、今回の知事選で独自候補を擁立せず、初めて吉村知事の支援に回りました。背景には、吉村知事に参院選で大内さんへ不利な動きをさせないけん制との見方もあります。
一方、吉村知事の陣営は選挙期間中、自民・非自民、どちらの国会議員や県議会議員にも応援演説をほとんど依頼しませんでした。ある非自民の関係者はYBCの取材に対し「参院選に影響が出ないよう各党に配慮したのではないか」と話します。
そして、吉村知事が大差で5回目の当選を果たしたその日。開票を見守った会場に芳賀さんの姿がありました。次期参院選で吉村知事の応援を期待するか問われた芳賀さんは。
芳賀道也氏「知事はどっちを応援するのかと言うが、私としてはそんな問題ではなくて、知事と協力してまずはあと6か月の任期があるので、復興・復旧の希望が見えるようにともに頑張っていく。現職の議員として働く中で、次に向かって皆さんからの通信簿というか評価があるのかなと思う」
その3日後。自民党県連の遠藤利明会長の会合に大内さんの姿がありました。
大内理加氏「国会議員を目指しますが、軸足は常に地方にある。県議会議員を経験したこともあって、しっかり県政と国政をつなぐ架け橋になってこの県のために働きたいと思っている。なかなか自民党にとっては厳しい環境ではあるが、最後まで諦めずに頑張るのでどうか皆さんよろしくお願いします」
自民党県連・遠藤利明会長「知事の支援を決めたから一気に全て考えが一緒になることはないわけで、1つ1つこれから話をしながら協力関係を作っていく。その1つに参院選もあるのかもしれないと思っている」
一方、参院選への対応が注目される吉村知事ですが、現時点では各候補者への態度を明言していません。
吉村知事「令和7年度の当初予算と人事で目の前に膨大な業務があるので、その先の夏の参院選まではまだ考えが及ばない」
こうした中7日、次期参院選に参政党の公認で出馬予定の佐藤友昭さん(52)が記者会見しました。山形市内で機械工具などの販売を行う会社を経営する佐藤さんは、1次産業の復活に向けた戸別補償などの必要性を訴えました。
佐藤友昭氏「若者が10年、20年後に日本に生まれて良かったと思ってもらえる国、地方、政治にしていきたい」
一方、前回参院選では芳賀さんを独自に支援した共産党県委員会は今回は独自候補を擁立する方針です。本間和也委員長は「候補者をできるだけ早く決めたい」と話しています。
様々な思惑が交錯する中、各候補予定者は夏の政治決戦に向けて動きをいっそう活発化させていきます。