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山形県が「フルーツ・ステーション」の関係経費を除いた修正案を県議会に提出し可決

2024年3月15日 18:22
山形県が「フルーツ・ステーション」の関係経費を除いた修正案を県議会に提出し可決

山形県が整備を目指す県産果樹の情報発信施設「フルーツ・ステーション」を巡り、県は15日の県議会本会議で新年度当初予算案を撤回しました。その上で、フルーツ・ステーションの関係経費を除いた修正の予算案を提案し、可決されました。

「フルーツ・ステーション」は、県が寒河江市に整備を検討している県産果樹の情報発信拠点で総事業費をおよそ18億8000万円と想定しています。県はさらに、県内各地に発信施設を設置し県産フルーツをPRするネットワークを形成することを構想しています。
しかし、県議会最大会派の自民党からは立地や生産者へのメリットを疑問視する声が相次ぎ、13日の農林水産常任委員会でフルーツ・ステーションの整備に向けた調査などの関連経費およそ4800万円を含む関連経費を含む新年度予算案が否決されました。委員会での否決を受け、吉村知事は14日、新年度の当初予算案を撤回する方針を示しました。その上で、撤回の理由として「当初予算案の否決という県民への不利益を避けるため」とするコメントを出しました。
15日の議会運営委員会では自民党の議員からこのコメントは不適切だとの意見が出され紛糾する場面もありました。

自民党 加賀正和県議「『県民の不利益を避けるため』言葉が使われている。コメントでこういう言葉を使われると我々議会が後ろ向きの形を取っているとの誤解を生じさせる」

対して、知事を支援する議員は…

県政クラブ石黒覚県議「知事にコメントする言葉を選べというのは違いませんか?知事をコントロールする立場に我々はありませんよ」

本会議で県側は新年度当初予算案を撤回した上で、フルーツ・ステーションの関連経費およそ4800万円を除いた総額6497億8300万円の新年度当初予算の修正案を提出しました。
修正案は各常任委員会での可決を経て、その後の本会議では最大会派・自民党も賛成し全会一致で可決されました。
吉村知事はー。

吉村知事「まず当初予算案が通過してほっとしている」

フルーツ・ステーションの今後については。

吉村知事「思いはあるが結局は多数決で決まる。そういったことも重く受け止めなければいけないが、かといって全然解決していない。ゼロからというより1からみんなで一緒に検討していきたい」

自民党県連・森谷仙一郎幹事長「常任委員会を中心にして議論をやってきた。執行部にはその否決を反映してもらった。例えば置賜とか最上、庄内…。寒河江市に決めなくてもいいじゃないですか。そういった議論は最初からあった。山形県どこにいっても応援できるようなスキーム作りが必要」

吉村知事を支持・県政クラブ 木村忠三代表「サクランボはものすごくポテンシャルがあるもの。それを全国・全世界に発信する。山形県を活性化させる。そういう予算が否決されたので非常に残念。しかし、予算を撤回して可決したことは県民のことを考えたらよかったなと」

吉村知事の任期満了まで1年を切る中、知事側と自民党との溝が深まっています。