自民党会派の反対多数で否決 山形県のフルーツ・ステーション整備事業の新年度予算案
山形県が整備を検討している県産果樹の情報発信拠点「フルーツ・ステーション」に関する新年度予算案が、13日の県議会農林水産常任委員会で自民党会派の反対で否決されました。吉村知事は「大変残念。速やかに今後の対応を検討する」としています。
この問題は、県が寒河江市に整備を検討している県産果樹の情報発信拠点「フルーツ・ステーション」を巡って、県議会最大会派の自民党から「民間活用の範囲が狭いのではないか」、「より適した立地があるのではないか」といった異論が相次いでいるものです。
県議会自民党は13日朝、議員総会を開き、県議会農林水産常任委員会でフルーツ・ステーションの整備に関する新年度予算案を否決する方針を固めました。
委員会では自民党会派の議員から「資材高騰や気候変動で打撃を受けている生産者へのメリットが不透明」などといった予算案への反対意見が出されました。
一方、賛成派の議員からは「後継者確保のためには情報発信機能を活用した施設は必要」といった意見が出されました。
そして採決では…。
自民党・相田光照県議「賛成の委員の挙手を求めます。挙手同数でありますしたがって委員会条例の規定により委員長が採決いたします。委員長は本件を否決と採決します」
自民党会派の委員長が反対し、4対3の反対多数で「フルーツ・ステーション」整備事業の予算案を含む農林水産関連の新年度予算案が否決されました。
県農林水産部・地主徹部長「丁寧な説明に努めてきたつもりだがご理解いただけずに否決という結果になったということは大変残念。今後については戻って知事と相談するので今はっきりとは言えない」
自民党県連・森谷仙一郎幹事長「まず場所が寒河江のあそこでいいのか。当初から話をしている県からの答えはあそこは県有施設だからとそれ一辺倒。県民が一様に良かったなという施設を我々は望んでいる」
吉村知事「ご理解に至らなかったことは大変残念でならない。ただ、前向きな取り組みということもしっかりとやっていかないとという思いを持っている。これからどういう風にしていくか、速やかにしっかり検討していきたい。一つの事業だけに完璧を求めて何回も説明といわれても…私としてはどうなのかなと思いますね」
県議会自民党はフルーツ・ステーション整備に掛かる予算の抑制や民間企業の力を最大限活用することなどを県に求める修正動議をまとめ、15日開かれる県議会本会議に提出する予定です。本会議では自民党が求める修正などに対し県側がどのように対応するのか注目されます。