クマやイノシシ自動で撮影し「AI」が動物の種類識別 生態状況を把握 山形市で実証実験
人工知能「AI」を生かしてクマやイノシシなど動物の動きを遠隔で監視するシステムの実証実験がいま、山形市で行われています。生態状況の把握や猟友会の人手不足の解消が期待されます。
この実証実験は鳥獣被害対策を目的に、山形市や鳥獣被害対策実施隊、それにNTT東日本山形支店の担当者が山形市の西山形、柏倉、長谷堂の3つの地区で、9月1日から行っています。
山形市鳥獣被害対策実施隊 高野雄太さん「わなに動物がどのように興味を示しているかどのように歩いていくのかカメラで見ている」
今回の実験は、動物などを検知して自動で撮影するカメラを木などに設置。写真や動画は、管理するサーバーに送信され、人工知能『AI』が動物の種類を識別し、システムに登録している人のスマートフォンやタブレットなどに通知します。エサの食べ方や来る方向など生態の状況把握のほか、遠隔で監視することで見回りなどの負担軽減にもつながるということです。実際に撮影された映像を見せてもらいました。
実際の映像「イノシシ9月5日の午後11時19分に撮影された映像」「カモシカきょうの午前2時47分に撮影された映像」
動画は、およそ10秒間撮影されます。今回の実験では、イノシシなどの通り道とされる場所4か所にカメラとわなを設置していて、10日までにイノシシ、カモシカのほか、タヌキやハクビシンが撮影されたということです。
山形市鳥獣被害対策実施隊 高野雄太さん「メールで画像が来たと情報があると見回りに対しての意識ハードルが下がると思う」
山形市鳥獣対策係 武田純係長「今回設置したものを検証し市の全地域に広げるよう考えている。」
今後は、各地区に合わせた設置の方法などを検討し、鳥獣の自動的な監視を増やしていきたいということです。この実証実験は、9月30日まで行われます。