コロナ後遺症 オミクロン以降“見えない症状”が増加「怠けではない」理解求める 山梨県
新型コロナウイルスの後遺症について最新の知見を学ぶ、県内企業の産業医を対象にした研修会が甲府市で開かれました。オミクロン株の流行以降の後遺症は「けん怠感」など目に見えない症状が増えたとして、企業側に理解を求めました。
研修会では感染症を専門とする山梨大医学部の井上修医師らが2021年11月から今年3月まで開設していた後遺症外来の情報を基に、最新の知見を共有しました。
井上医師によりますと、オミクロン株の流行以前の後遺症患者は男女ともに20代が最も多かったのに対し、オミクロン株以降は40代が最多となりました。
また、症状別ではオミクロン株以前は「脱毛」や「味覚・嗅覚障害」が多かったのに対し、オミクロン株以降は「けん怠感」や「抑うつ」、頭が霧がかったようにすっきりしない「ブレインフォグ」など目に見えない感覚的な症状が増えたということです。
こうした症状は長引く傾向にあるといい、日常生活が送れないほどの疲労感が続く「慢性疲労症候群」を発症している可能性もあるとして、企業の産業医に対して後遺症患者への理解を求めました。
山梨大医学部 井上修 医師「筋力が落ちたりパフォーマンスが落ちることがあってもおかしくないというデータが最近出そろっている。『もう治ったから大丈夫でしょ』と言われ、仕事をたくさん任されて辛いと言う患者もいた」
また、精神神経を専門とする山梨大医学部の平田卓志医師は、後遺症患者が職場復帰をしやすいように業務内容の変更や働く場所や時間などで配慮するよう求めました。