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【独自解説】暴落したビットコインを関係会社が“爆買い”⁉就任式には“新・猛獣使い”を異例の招待…世界が注目するトランプ大統領の船出 演説の『言葉』から読み解くアメリカ・ファーストの真意とは―

2025年1月25日 3:00
【独自解説】暴落したビットコインを関係会社が“爆買い”⁉就任式には“新・猛獣使い”を異例の招待…世界が注目するトランプ大統領の船出 演説の『言葉』から読み解くアメリカ・ファーストの真意とは―
トランプ新大統領、就任式で何を語った―

 2025年1月20日(日本時間21日)、アメリカ大統領に返り咲いたドナルド・トランプ氏。注目された就任演説で飛び出した“びっくりワード”と“肩透かし”に、早速世界が振り回されることに…。中国が用意したまさかの切り札とは?これからのアメリカの行方は?『読売テレビ』高岡達之特別解説委員の解説です。

■『大統領令』記録達成なるか?トランプ大統領らしさが垣間見えた就任式

 トランプ大統領らしさが表れていたのが、就任式の映像です。「中身を読んでいるんだろうか」とよく言われますが、堆く積まれた大統領令に独特のサインで署名しました。

 そして、「俺がサインしたペンを持っていけー!」とでも言うかのように、署名に使ったペンを何本もオーディエンスに投げていました。まるで“アイドルのショー”のようですが、トランプ大統領らしいシーンです。

 初日に議会を通さず大統領が命令を下す『大統領令』は、これまでもいろんな人が記録を持っていますが、今回は一日100本以上で記録になるそうです。ただ、アメリカのメディアですら今のところ正確に計算できていませんので、まだ目標を達成できたかはわかっていません。

■「“より多くの人が共感すること”に戻したい」トランプ氏が発した『常識』の意図

 では、世界が一番注目した『就任演説』を紐解きます。私が注目したのは、登場した“ことば”です。今までのトランプ氏ならあまり使わないような言葉が、たくさん出てきました。前回は、吠えるようなアピールの激しい言葉でしたが、今回はトーンが落ち着いていました。

 いきなり、『常識』という単語から出てきました。トランプ氏を批判する人は、「あなたが“常識”?」という話になります。しかし、トランプ氏が言いたいのは、いろんな政策をやる時に、“今の時代”というよりも、「“自分たちが教育を受けたもの”“より多くの人が共感すること”に戻したい」ということです。

 今までのアメリカは“少数派”、例えば「体は男性だが意識は女性」という人も大事にしましょうという流れで来たのですが、トランプ氏はいきなり「性別は男性と女性のみ」と断言しました。当事者からすると、大変傷つく言葉です。

 そして、コロナの対応が不適切だったとして、WHOを早速脱退。「パリ協定も抜けます」と初日に言ったわけです。だから、『常識』という言葉は、2025年の世界の常識というよりは、「アメリカの常識をもう一度やり直す」という意味で使われました。

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■『緊急』と『非常』から見えるトランプ氏の思い エネルギーと不法移民の問題
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