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【年金密着】老朽化著しい“都会の限界集落”『桐ヶ丘団地』に住む人々の年金の“リアル”を直撃!「年金では生活できない」「米は高くてマズい!」「そっちにもこっちにも不満だらけ」…それでも笑顔で生活続けるワケ

2024年12月21日 12:00
【年金密着】老朽化著しい“都会の限界集落”『桐ヶ丘団地』に住む人々の年金の“リアル”を直撃!「年金では生活できない」「米は高くてマズい!」「そっちにもこっちにも不満だらけ」…それでも笑顔で生活続けるワケ
“都会の限界集落”といわれる『桐ヶ丘団地』へ

 今回『ミヤネ屋』が訪れたのは、東京・北区にある都営・桐ヶ丘団地です。高度経済成長期には“マンモス団地”として活気があったといいますが、今では行き交う人も少なく、“都会の限界集落”といわれるように…。そんな中でも、苦しくも笑顔で暮らす年金受給者たちに密着。一体、どんな日々を送っているのか―。

■1950年代に建設された都営・桐ヶ丘団地 老朽化が進む建物が並び、人気のない敷地に入ってみると…

 東京・北区のJR赤羽駅から車で10分ほど。4~5階建ての建物が建ち並ぶ、都営・桐ヶ丘団地。

 1950年代に建設された建物はかなり老朽化が進んでいて、団地の周辺を歩いていても、行き交う人は少なく…。ポストの入り口は塞がれ、ほとんどが空き部屋のようです。

 団地の中心に位置する『桐ヶ丘中央商店街』の中に入ってみると、多くの店がシャッターを閉めたままになっていて、頭上には万国旗が静かになびいていました。

 商店街にいた女性に、声をかけてみました。

Q.おいくつですか?
(桐ヶ丘団地の住民)
「82歳です」

Q.団地に住んで、何年ぐらいですか?
(桐ヶ丘団地の住民)
「もう長いですね。昭和40年(1965)に入居しました。まだ結婚前でした」

Q.当時の団地の雰囲気は?
(桐ヶ丘団地の住民)
「こんなにぎやかなところに来ちゃって、どうしようと思った」

Q.団地、さみしくなっちゃいましたね?
(桐ヶ丘団地の住民)
「本当…(笑)」

■「年寄りばかりになっちゃった」“原宿の竹下通り”から“都会の限界集落”へ

 1950年代、高度経済成長期の人口増加対策として、全国で建設が始まった“マンモス団地”。桐ヶ丘団地もこうした一つで、最盛期には146棟に5000世帯が暮らし、活気があったそうです。しかし、現在は空き部屋が目立ち、住民の約6割が65歳以上の高齢者。東京23区にありながら、限界集落と呼ばれることもあります。

 商店街で今も営業している玩具店『おもちゃのふくしま』には、店内に並ぶ昔懐かしい商品を求め、マニアが買いにくるといいます。1989年、平成元年の営業開始から35年。

 店主に、当時の様子を聞いてみました。

(『おもちゃのふくしま』猪狩雅美店主)
「昔は、凄かったですよ。オーバーかもしれないけど、原宿の竹下通りみたいな感じで、人がいっぱいあふれて。買い物には困らなかったです」

 しかし、かつてのにぎわいは薄れ、さみしくなった桐ヶ丘団地の周辺。

(桐ヶ丘団地の住民)
「この桐ヶ丘団地は、日本で一番、年寄りが多いの」
「年寄りばかりになっちゃった(笑)昔は、結構子どもがいっぱいいたのよ。だから、楽しかったのよね」

 一方で、先ほどの82歳の女性が教えてくれたのは―。

(桐ヶ丘団地の住民)
「こんな状態ですけど、私たち住民は元気です。ここは毎週、週替わりで、各サークルがバザーをやっています」

■団地では隣近所の付き合いが皆無…でも、皆が笑顔になる秘密は週1回の“バザー”「こういう付き合いはすごく必要」

 毎週、火曜日の朝。さみしい雰囲気だった団地に、次々と集まってくる高齢者たち。皆が集まったところで、まずは健康維持のため体操をして、体を動かします。

 その後、手作りの品などを持ち寄ったバザーでは、我先にと掘り出し物を探していました。

(バザーに来た人)
「手作りコースター、3枚で100円。ステキね!」

(バザーに来た人)
「団地では、隣近所の付き合いはありません。だから、こういう付き合いは、すごく必要だと思います。うふふ(笑)」

 桐ヶ丘団地がにぎやかになる毎週火曜日、高齢者の皆さんも自然と笑顔になります。

■不満続々…年金受給者たちのリアル「生活できない!」「そっちにもこっちにも不満だらけ」

 そんな中、桐ヶ丘団地に30年以上暮らしているという小坂京子さん(84)に話を聞きました。10年ほど前にご主人が亡くなり、今は一人暮らしだといいます。

Q.年金は受け取っていますか?
(『桐ヶ丘団地』在住30年以上・小坂京子さん)
「はい、厚生年金です。お父さんが亡くなったから、遺族年金は一か月十数何万になる。自分のと合わせて、生活は何とか(笑)お父さんのおかげで」

Q.家賃は、一か月いくらですか?
(小坂さん)
「みんな違うんですよ。私は3万円ぐらい払っています」

 そんな小坂さんのご自宅へ、いつもの“お茶飲み友だち”と一緒にお邪魔させていただきました。

 団地の老朽化に伴い、新しく建てられた建物に引っ越した小坂さん。間取りは、ダイニングキッチンを挟むように洋室が2部屋と和室という3DK。都営団地ということで収入に応じた家賃となり、小坂さんのお宅は月々約3万円だといいます。

 同じ団地に住む年金受給者の皆さん(71歳・74歳・81歳・86歳)と一緒に話を伺いましたが、疑問や不満がいろいろあるようです。

Q.年金だけで生活するとなると、苦しいなと思いますか?
(74歳)
「年金では、生活できませんよね。私は、年金をもらいながら仕事もしています。造園関係、公園の管理人をやりながらやっていますけど、そうすると今度、そっちの収入のほうに税がかかってくるから、何のために働いてんだかワケわかんない」

(86歳)
「50万円以上働くと年金が少なくなる、基礎年金がカットされていくと聞きました。テレビの情報番組でやっている話を、毎朝聞いているんです」

(71歳)
「年金が減るというより、税金がかかってくるということでしょ?」

Q.ガス・電気・水道、どれぐらいかかりますか?
(小坂さん)
「うちは、ガスと電気で1万円ちょっと。水道は別で、6000円ぐらい」

(71歳)
「私は、医者代にかかる。一回大体1000円だとして、週2回行っていますから。それで、薬とかは、また別だから」

(小坂さん)
「お米が高くなったから」

(81歳)
「高くてもいいから、うまきゃ良いんだけど、それがまたマズいんだよね」

(71歳)
「高くてマズいんだよね」

(86歳)
「ハガキが85円ですよね。今年は年賀状なしです」

(74歳)
「2022年あたりから、年賀状はLINEとかメールで来るようになりました。でも、LINEに繋がりがない知り合いとかいるもんな。だから、年賀状は何枚か出さなきゃダメだ…」

(81歳)
「そっちにもこっちにも、不満だらけですよ」

(一同)
「あはははは(笑)」

 団地にお住まいの皆さん、貴重なご意見ありがとうございました。

(「情報ライブ ミヤネ屋」2024年12月16日放送)

最終更新日:2024年12月21日 12:00