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松野官房長官 午後会見(6月8日) フィリピン産バナナ値上げなど

2022年6月8日 17:46
松野官房長官 午後会見(6月8日) フィリピン産バナナ値上げなど

松野官房長官は8日午後の会見で、フィリピン政府がバナナの価格引き上げを小売業界などに申し入れたことについて「日本政府としてコメントすることは差し控えたい」と述べた上で、緊急総合対策で決定した価格高騰対策や子育て世代への給付金などを迅速に実施する考えを示しました。

<会見トピックス>
▽北朝鮮による拉致問題

▽児童福祉法改正

▽日露漁業協定

▽フィリピン産バナナ値上げ

▽内閣不信任案

会見の概要は以下の通りです。

○松野官房長官
冒頭発言はございません。

――拉致問題について。

北朝鮮外務省は7日、拉致問題に関し、「我々の誠意と努力で既に全て解決され、朝日間の問題として存在しない」と主張した。

日本政府とは相入れない立場での主張だが政府の見解は。

○松野官房長官
ご指摘の北朝鮮側の発表は承知をしております。

こうした発表の一つ一つに政府としてコメントすることは差し控えたいと思いますが、我が国としてはこうした主張は全く受け入れることができません。

我が国としては日朝平壌宣言に基づき、拉致・核・ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、国交正常化の実現を目指す考えに変わりはありません。

拉致問題は岸田政権の最重要課題であります。

ご家族もご高齢となる中、一刻の猶予もありません。

全ての拉致被害者の1日も早い帰国を実現するべく、あらゆるチャンスを逃すことなく全力で取り組んでまいります。

――北朝鮮側は拉致問題について、強硬な姿勢を改めて示したが、このような姿勢の北朝鮮側とどのように解決に向けた対話を進める考えか。

○松野官房長官
拉致問題に向けては、内閣官房の対策室、また、外務省において様々なアプローチを行っておりますけれども、事柄の性質上、その内容に関してお話をすることは差し控えたいと思います。

――本日成立した児童福祉法などの一連の改正法について。

虐待や貧困などを理由に児童養護施設や里親の元で暮らす子供への支援について、これまで最長でも22歳までであった制限が撤廃されることになった。

今回の法改正の意義と、今後は個々人の状況に合わせた支援が可能になる分、支援自体の充実も必要になる。

政府としてどのように取り組んでいくのか。

○松野官房長官
本日、児童福祉法の改正案が成立し、児童養護施設を退所した方などに対し、住居の提供や相談支援等を行う、児童自立生活援助事業について、対象者の年齢要件が弾力化されることになりました。

この改正により、児童養護施設等を退所した後も、継続して必要な支援を受けられるようになり、安定した生活を送ることが可能になると考えています。

法律の施行に向け、今後厚生労働省において当事者の意見も伺いながら実施体制の充実などの検討を行っていくものと承知をしております。

――北方領土周辺の日本漁船の安全操業に関連して伺う。

午前会見で、長官は、ロシア側に対して「直近の支払いについては、まだ行っていない」と言っていたが、直近とは、いつのことか。

支払いができていない理由は。

また、ウクライナ侵攻を受けた、日本による対露制裁で、送金が困難になっているとの指摘もあるが、侵攻後に協力金を払うことに合意した、日本の200カイリ水域内でのサケ・マス流し網漁や、貝殻島周辺のコンブ漁の協定、支払いについては、どう対応していくのか。

○松野官房長官
ご指摘のサハリン州との協力事業に関する直近の支払いとは、令和3年度の支払いのことであり、これについてはまだ行っていません。

これ以上の詳細については外交上のやりとりであり、お答えは差し控えたいと思います。

なおサハリン州との協力事業に関する今後の取り扱いについては、様々な状況を考慮して検討しているところであります。

また貝殻島のコンブ漁業や日本水域におけるサケ・マス漁業に関しては、今後の支払いを含め、引き続き、我が国の漁業にかかる権益の維持確保のため適切に対応してまいりたいと考えております。

――フィリピン産バナナの値上げについて。

先ほどフィリピンの駐日大使が会見を開き、コストの上昇により生産者が採算を確保することが難しくなっているとして、バナナの価格の引き上げに理解を求めた。

小売業界にも同様の申し入れを行っていて、外国政府の立場から日本の民間団体に対して、価格の引き上げについて申し入れを行うのは異例のこと。

日本でも物価高で幅広く値上げが相次いでいるが、日本政府としてフィリピン政府のこうした動きをどのように見ているか、所感があれば。

○松野官房長官
ご指摘のフィリピン政府の申し入れについては承知をしています。

我が国とフィリピン両国は、持続可能な農業生産および食料システムの重要性について認識を共有しており、引き続き協力をしていく方針でありますが、個別の果物の価格については、市場における取引により決定されるものであり、日本政府としてコメントすることは差し控えたいと思います。

その上で、政府としては、家計にとって重大な問題である食料価格の上昇への対策を含め、世界的なエネルギーや食料等の国際価格の上昇の影響を可能な限り抑制するため緊急総合対策において決定した小麦など食品原材料等の価格高騰対策、肥料や飼料の価格高騰対策、低所得の子育て世代に対する5万円の給付金などの支援を迅速に実施していく考えであります。

――内閣不信任案について。

立憲民主党は内閣不信任案を提出する方針を固めた。

泉代表は提出理由について、政府の物価高に対する無策ぶり、経済無策を看過できないと述べている。

これに対する政府の反論など見解は。

○松野官房長官
内閣不信任案が提出されたとは承知をしておらず、また政党の動きについてコメントすることは差し控えたいと思います。

物価高につきましては、先ほど申し上げた通りでありますけれども、総合緊急対策に盛り込まれた各政策を国民の皆様に迅速にお届けをしていく考えであります。

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