×

松野官房長官 午前会見(6月8日) ロシアの日露漁業協定停止に「一方的」「遺憾」

2022年6月8日 12:17
松野官房長官 午前会見(6月8日) ロシアの日露漁業協定停止に「一方的」「遺憾」

松野官房長官は8日午前の会見で、ロシア外務省が北方領土周辺での安全操業を認める協定の履行を一時停止すると発表したことについて、「遺憾だ」と述べ、ロシア側と協議を行っていく考えを示しました。

<会見トピック>
▽日露漁業協定停止
▽シャングリラ会合
▽日中防衛相会談
▽内閣不信任案
▽政府広報

会見の概要は以下の通りです。

○松野官房長官
私からの冒頭発言はございません。

――北方領土周辺の安全操業協定について。ロシア外務省は北方領土周辺海域での安全操業に関する協定の履行を中断すると発表した。日本側が必要な各種の署名を遅らせ、協力金の支払いを凍結していることを理由としているが、日本政府の受け止めと今後の対応は。

○松野官房長官
ロシア側はサハリン州との協力事業を、北方四島周辺水域操業枠組み協定の実施の前提条件であるかのように両者を結びつけ、サハリン州との協力事業を理由に、一方的に協定の履行の停止を主張していますが、このような形で一方的に協定の履行停止を発表したことは遺憾であります。

日本側として、引き続き、協定のもとでの操業が行われるよう、ロシア側と協議を行っていく考えであります。

――この協定はロシア当局によるだ捕などを避けるために結ばれた協定だが、漁業者の安全の確保をどういうふうに進めていく考えか。

○松野官房長官
先ほど、申し上げた通りの状況でございますが、詳細につきましては外交上の問題でありますので差し控えたいと思いますけれども、まず第一に、漁業関係者の皆さまの操業の安全を確保するために全力を尽くしてまいりたいと考えております。

――ロシア外務省は、声明の中で、日本政府は、この協定が機能するために不可欠な、サハリン州に対する無償の技術支援の提供に関する文書への署名を遅らせ、協定に基づく支払いを凍結する方針をとったと主張している。

ウクライナ情勢を受けた、日本の対露制裁の影響で、送金が困難になっていることが背景にあるとの指摘もあるが、ロシア側への送金について、事実関係はどうなっているのか。

○松野官房長官
このことも外交上のやりとりであり、詳細は差し控えたいと思いますが、直近の支払いについてはまだ行っていないと、報告を受けております。また、サハリン州との協力事業に関する今後の取り扱いについては、様々な状況を考慮して検討しているところであります。

――先ほど、ロシア側と今後協議を進めていきたいという話だったが、こうした行為に対して正式に外交ルートで抗議などはしたのか。

○松野官房長官
先ほどこれも申し上げましたけれども、日本側の立場に基づき協定のもとでの操業の実現に向けてロシア側に働き掛けていく考えであります。

――アジア安全保障会議について。岸田首相はシンガポールで開かれるアジア安全保障会議で、平和のための新たな構想を打ち出し、自由で開かれたインド太平洋の推進計画を来春までに発表する考えを表明するとの報道がある。事実関係や現在の調整状況を伺う。

○松野官房長官
岸田総理の基調講演等の内容に関しては、現在調整中であります。具体的にお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。

――アジア安全保障会議の関連。一部報道で岸防衛相が中国の魏鳳和国務委員兼国防相と会談する調整に入ったとある。事実関係と調整状況は。

○松野官房長官
岸防衛大臣は今月開催されるシャングリラ会合に出席する方向で調整中であると承知をしております。個別の会談については現在防衛省において最終的な調整を進めているところであり、調整が整い次第、防衛省から公表する予定であります。

――内閣不信任案について。立憲民主党の泉代表は内閣不信任案の提出を表明した。理由として物価高に対する政府の経済無策ぶりを看過できないなどと述べた。これに対する受け止めは。また不信任案への対応として衆議院解散も選択肢としてあるが、どう対応する考えか。

○松野官房長官
内閣不信任案が提出をされたとは承知をしておらず、また政党の動きについてのコメントは差し控えたいと思います。

いずれにせよ、政府としては原油価格や食料品価格の高騰による影響に、緊急かつ機動的に対応するため、ガソリン価格や小麦価格等の国内価格の上昇を抑制するとともに、生活困窮者や低所得者支援を後押しするなど、真に困窮されている方々にきめ細かく支援を行うなど、総合緊急対策に盛り込まれた各政策を国民の皆さまに迅速にお届けをしていく考えであります。

また、衆議院解散についてのお尋ねがありましたが、解散は総理の専権事項であり、私の立場からは差し控えさせていただきます。

――政府広報。政府は、ワクチン接種、ウクライナ情勢に続き、子育て支援の取り組みをアピールするため、岸田総理のビデオメッセージを制作しているが、狙いや今後の公表スケジュールは。また、この取り組みに松野長官が携わっているということだが、ご所見を。

○松野官房長官
ご指摘のビデオメッセージは岸田内閣の重要政策を広報するために撮影されたものであります。村井総理補佐官が中心となって企画や制作を行い、私も報告を受けたところであります。これまでワクチン接種促進とウクライナ支援に関し、政府の広報動画を作成してきましたが、今回はそれらに続き第3弾として、子供政策をテーマとした広報動画をまもなく公表する予定と聞いています。

いずれにしても国民の皆さまに、岸田内閣の重要政策を分かりやすくお伝えすることは重要であり、引き続き、積極的な発信に心掛けていきたいと考えております。