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森永卓郎さん、妻と新婚のような日々「とても楽しい」 がん闘病日記で明かした家族関係の変化

2025年1月29日 22:40
森永卓郎さん、妻と新婚のような日々「とても楽しい」 がん闘病日記で明かした家族関係の変化
森永卓郎さん『がん闘病日記』でつづったこと
経済アナリストの森永卓郎さんが原発不明がんのため、28日に亡くなりました。67歳でした。亡くなる直前まで自身の病状や経済、世相への意見を発信し続けた森永さん。その信条や家族への思いに迫ります。

森永さんは2023年末、すい臓がんのステージ4を公表。亡くなる約7か月前、2024年6月に出版された『がん闘病日記』(発行:三五館シンシャ)で、がんとお金のこと、死生観、闘病生活で起きた変化などを記しています。

■突然のがん宣告「にわかには信じられなかった」

著書の中で、森永さんは“ステージ4の末期がん”と診断されたときのことについて、「私はにわかには信じられなかった。何しろ、なんの自覚症状もない。朝から晩までフル稼働で仕事をして、食事もモリモリ食べていた」と、心境を告白。

マスメディアへの発表は「隠し事をしていると、それを守るためにウソを重ねないといけなくなる。また、この日に抗がん剤を打つのだから、その様子を見た人からメディアに通報されて、おかしな形で情報が伝わることを避けたかったのだ」と、早期の公表にこだわったことを明かしています。

森永さんはその後も、病状や体調、治療など闘病生活について発信し続けました。

■人生で大切にしてきた「いまやる、すぐやる、好きなようにやる」

自身の死生観については「がんの宣告を受けると、多くの人が1日でも長い延命を望み、永らえた期間で、旅行に出かけたり、高級なレストランに行ったりする。 人生は一度きりだし、それまでいろいろ我慢してきたのだから、最後は豊かな時間をすごしたいと思うのがふつうなのかもしれない。ただ、私にそうした欲求はない」とし、「それは、これまでの人生で、やりたいことは、すべてそのときにやってきたからだ」とつづった森永さん。

それは森永さんのこれまでの生き方にも通じていて、「私が社会に出てから44年が経過した。その間、私がずっと貫いてきた信条は『いまやる、すぐやる、好きなようにやる』ということだ。周囲に忖度(そんたく)することなく、自分が正しいと思うこと、やりたいと思うことを、これまで私はつねにやってきた。だから、仕事はカネを稼ぐための手段というよりも『遊び』に近いものだった。とりあえずやってみて、間違っていたり、失敗したら、素直に謝るというのが、私の仕事のスタイルなのだ」と明かしています。

■がんになって一番の変化は「家族との関係」

長年、「仕事三昧で、家に帰らなかった」という森永さん。しかし闘病により家で過ごす時間が増えたことで、大きく変化したのが「家族との関係」だといいます。「妻とすごした時間は41年間の夫婦生活のなかですごした時間よりも長いかもしれない。そのなかで、妻とは初めて新婚生活をすごしているような気分で、毎日がとても楽しい。この人と結婚できて、本当によかったと心から感じている」と、感謝の思いを伝えています。

2人の息子との関係にも変化があったそうで「息子たちとほとんど交流がない人生だったが、がんをきっかけに、絆はしっかりと復活したのだと思う」とつづり、2024年4月、人生で初めて「家族での花見」を経験したことも明かしていました。

森永さんは1957年7月12日生まれ、東京都出身。1980年に東京大学経済学部を卒業後、日本専売公社(現在のJT)に入社。その後、経済企画庁への出向などを経て、経済アナリストとして『情報ライブ ミヤネ屋』のコメンテーターを務めるなど数々のテレビやラジオなどに出演。多数の著書を出版し、2006年からは獨協大学経済学部の教授として教鞭をとっていました。

最終更新日:2025年1月29日 22:40