舘ひろし&柴田恭兵、最強バディにインタビュー 先輩からの大切な教えを胸に“あぶ刑事”演じる
映画は、1986年にテレビドラマとしてスタートした『あぶない刑事』シリーズの最新作。前作の映画『さらば あぶない刑事』から8年の時を経てスクリーンに帰ってきます。
テレビドラマスタートから38年間、同じ役を演じてきた2人ならではの制作の裏側について聞いてみました。
――“あぶ刑事”らしさを出すためにこだわったことは?
舘:脚本からずいぶん外れてアドリブ満載ってところかな。最近こういう映画がないから、そういう意味では今できてよかったなと思います
柴田:本当にね、行き当たりばったりというか。そんなんでずっとやってきたんですよ、実は。正直に言うと、今回8本目って聞いたときに「あ~自分たちはてきとうに作ってきたんじゃなくて、本当に皆さんが応援してくれたからやれてこられたんだな」って思ったので、この8作目が恩返しというか、応援してくれた皆さんに恩返しできるような作品になったらいいな、ちょっと真面目にやろうっていう感じで、今回頑張りました
“タカ&ユージ”を演じるうえで舘さんと柴田さんがこだわったというアドリブ。その誕生秘話とは?
――アドリブはどうやってつくったんですか?
舘:(僕は)初稿ぐらいから読んで、本の打ち合わせをするんですね。それは、お話として面白いか面白くないかっていう。それはもうファンダメンタルなストーリーだけを一生懸命作って、あとはその上にデコレーションするのはこちら(柴田さん)の役目という
柴田:その本を読んだ時、こんなふうにふくらませたら面白いなっていうのをすぐ舘さんに相談して「こんな感じでやりませんか」って。でも、お笑い芸人じゃないんですから。笑わせたくてやってるわけじゃないんですけども、ただ、あんまり下ネタには走らないようにしようかなっていうのは、ちょっとだけ。そんな感じで、いつも舘さんと相談しながらやってます
舘:だからほとんど恭サマが考えて「どうですか?」「はい、結構です」って僕が言うだけで。たまに僕がセリフでも「こう言ったら面白いかな」って思って自分で考えたのもあるんですけど、それはねやっぱり恭サマに言ってもらった方が面白いんですよ。だから「恭サマ、こういうふうに言ってよ」っていうと、それは完璧に言うの。それは素晴らしいんですよ、本当に
――舘さんがアドリブを断ったことは?
舘:断るなんてことはできません(笑)
■先輩からの大切な教え
本作では刑事役の若手俳優とも共演する2人。撮影現場では、刑事としての振るまいをレクチャーするなど、先輩としての姿も見えました。そこで、自身の先輩の存在についても聞いてみました。
――先輩から教えてもらって大切にしてる言葉は?
舘:僕はやっぱり渡(哲也)さんですね。30歳ちょっと過ぎてぐらいからかな。お芝居はちょっと面白くなってお芝居するようになったら「ひろし、芝居はするな」って言われました。ハートというか気持ちで芝居をすればいいっていうのを言われましたね
――今もずっとそうしてますか?
舘:ずっと芝居してないですよ僕(笑)
――柴田さんが先輩から教えてもらって大切にしてる言葉は?
柴田:若い時に原田芳雄さんとお会いすることが(あって)、まだ始まったばかりで「全力投球で僕頑張ります」って言ったら、原田さん「いいぞ。恭兵、全部出し切れ」と。「あ、そうか。全部出し切るんだな。よし、どんな作品でもその時の自分を全部出し切れたらいいな」と思って、そんなふうにやってきました
■2人にとっての“あぶ刑事”
――最後に、2人にとって“あぶ刑事”はどんな存在ですか?
舘:宝物。きっと俳優にとって代表作があるのはすごく幸せだと思うんですね。僕にはいくつかありますけれども、本当にこの『あぶない刑事』っていうのは僕の代表作だと思うし、それに出会えた、柴田恭兵という俳優さんに出会えた。それは僕もやっぱり宝物だと思います
柴田:タカとの出会いですね。もちろん、(仲村)トオルくんとかあっちゃん(浅野温子)とか他のスタッフ、ベンガルさんとかみんなで作り上げたものなんですけども、でも舘さんでなかったら、こんなコンビは生まれなかったんだろうなって思います。
舘:そうですね、奇跡だと思う。本当に。全く違うんだもん
柴田:わがままなタカさんで良かったんです(笑)
舘:すみません(笑)