品川ヒロシが語る『お笑い芸人』と『映画監督』を掛け持つ楽しさ
映画は、累計発行部数650万部を突破した漫画『OUT』が原作で、少年院から出所した不良・井口達也が、家族や仲間と出会いながら更生生活を送っていく青春物語。主人公の井口は倉悠貴さん(23)が演じ、水上恒司さん(24)、醍醐虎汰朗さん(23)、JO1の與那城奨さん(28)、大平祥生さん(23)、金城碧海さん(23)など、フレッシュな顔ぶれが出演しました。
品川さんは、長編監督デビュー作となった映画『ドロップ』(2009年公開)が興行収入20億円を突破。以降、『漫才ギャング』や『Zアイランド』、『リスタート』など監督として5作品を手がけてきました。
■品川監督ならではの現場作り「楽しいと思ってほしかった」
――品川監督にとって『OUT』はどんな作品になりましたか?
今まで過去5作で培ったもの、撮影の仕方やアクション、料理の撮り方、それを全部詰め込んだ感じです。アクションは練習から編集までかなりこだわって、アクションが嫌いな女性でも楽しめるし、大好きな人も楽しめるように作りました。
――アクションはどのように指導して撮影を?
僕の性格なんですけど、人にやってもらうとか、やる気を出させるときに自分だけ何にもしないっていうのが苦手で、「筋トレしとけよ」って言うのは身勝手な気がするし、だから「一緒に行こう」と連れて行って、筋トレしたりアクション練習したりしていました。筋トレする中で役者さん同士で結束力が高まっていくし、古いのかもしれないですけど、同じ釜の飯を食うというか、一緒にトレーニングして、プロテイン飲んで昼飯食べてみたいな。そこでチームワークができていったんじゃないかなと思います。
――現場作りではどんなことを心がけてましたか?
とにかく寒くて長くて、つらいんですよ。アクションを寒い中でやるって思っている以上に大変で、だからこそ楽しませてあげたいという気持ちがあったし、みんなに「品川の映画は楽しい」と思ってほしかったです。
■目指したのは「役者それぞれの魅力を生かしたアクション」
――監督として、俳優1人1人とどんな思いで向き合っていましたか?
コミックの良さや自分の思い描いているものはあるんですけど、本人の持っている魅力みたいなのが出るといいなって思っていました。(それぞれの)口癖とかが入っているし、アクションでいうとJO1はダンスのベースがあるからやっぱりキレキレだし、倉悠貴と水上くんはアクションもお芝居なんですよね。だからちゃんと気持ちがこもって、動いているっていうのがあるし、醍醐虎汰朗は本当に運動神経がいい。それぞれ魅力があるアクションになっているかなと。
――20代前半の俳優さんが多かったと思います。品川さんは20代のころはどんな方でしたか?
ふてぶてしいヤツだったと思います。『OUT』なんてヤンキー映画ですけど、みんな(普段は)めちゃくちゃ礼儀正しくて、めちゃくちゃいい子たち。びっくりします。アウトじゃない全然。めちゃくちゃセーフ。本当に好青年ばっかりだと思います。昔は、多少生意気でも「やることやれば文句ないだろう」って思ってたタイプなんですよ。だけど、やることやってちゃんと礼儀正しい方がいいですね。礼儀正しい方がいいに決まってる。バカです。(当時の自分に)言ってやりたい。見ろ、『OUT』のメンバーを!って。
■『お笑い芸人』『映画監督』を経験して…
――『お笑い芸人』と『映画監督』を掛け持つ今、どんな思いで活動していますか?
無理して俺なんかを呼ばなくてもっていうのがテレビはあると思うんですよ。それでも呼んでくれるのはやっぱり楽しいし、久しぶりに行くと、毎回新鮮になるんですよね。前みたいにテレビは毎日出ているという状態じゃなくて、久しぶりに行って芸人に会うとやっぱり楽しい。芸人の方をやって、映画に戻るじゃないですか、そうすると“やっぱり映画楽しいな”と思うし、その繰り返しです。だから本当にいいペースで何の文句もない、吉本様様って感じです。ガッツリ首輪を、短めのリードをつけられて、首を痛めるぐらいにやってますけど、いい会社だなって思ってます(笑)