吉右衛門、3年ぶり再演も「昨日のよう」
歌舞伎俳優の中村吉右衛門(72)、尾上菊之助(39)らが27日、国立劇場3月歌舞伎公演「通し狂言 伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく)」の記者会見を都内で行った。
国立劇場の開場50周年イヤーを締めくくる記念公演。
吉右衛門は同劇場との関係について「私が吉右衛門になりまして50周年で、去年、国立さんが50周年(を迎えた)。国立さんと吉右衛門というのは一緒に歌舞伎をやってきたんだなと。何か因縁めいたものを感じます」と、しみじみ話した。
演目は3年ぶりに同じメンバーで再演する「岡崎」のほか、86年ぶりの上演となる「円覚寺」など。前回の「岡崎」にも出演した吉右衛門は「あっという間に3年もたってしまった。作品として大変、評価していただいたものなので、(千秋楽が)昨日のように思っておりました。『久々にやる』という気はいたしておりません」と、にっこり。
再演にいたった作品の魅力について問われると、吉右衛門は「僕が感じるのは、(劇中で描かれる)“かたき討ち”や“仇討ち”という(行為)が(現代は)法律的に禁止されていますが、人間の心の中には、いつの世にもある(感情だ)と思う。そういうところが、うまく描けている作品だと思う」と分析した。
3月4日から27日まで国立劇場大劇場で上演。