第36回山本周五郎賞が決定 江戸時代を舞台にした『木挽町のあだ討ち』
新潮文芸振興会が主催し1988年に創設されたこの賞。過去には湊かなえさんの『ユートピア』や、小野不由美さんの『残穢』、伊坂幸太郎さんの『ゴールデンスランバー』など名だたる作家が受賞してきました。
今回の受賞作『木挽町のあだ討ち』は、江戸時代を舞台にした時代小説。ある雪降る夜の“仇討ち”の、隠された真相に迫る物語です。
永井さんは、緊張した面持ちで記者会見に登場し「まだ震えが止まっていなくて。本当にありがとうございます。とにかく楽しく書かせていただいたので、ここまで来るまでの間にもたくさんの方からうれしいご感想を寄せていただいて、読者の方の言葉に勝る賞はない、と山本周五郎先生もおっしゃったそうなんですけども、その先生の名前を冠した賞をこうしていただくことができまして感無量でございます」と喜びを明かしました。
永井さんは慶應義塾大学文学部卒。新聞記者を経て、フリーランスライターに。2010年、『絡繰り心中』で第十一回小学館文庫小説賞を受賞し、デビューしました。2022年、『女人入眼』が第167回直木賞候補作に選ばれました。
写真:(c) 新潮社写真部