国立科学博物館 クラウドファンディング5億円超に 担当者明かす豪華返礼品に込めた思い
国立科学博物館は、コロナ禍での入館料収入の減少や、光熱費などの高騰を受け、標本や資料の保管資金などが不足。そこで、目標金額を1億円として7日からクラウドファンディングを実施。開始わずか9時間半後に目標を達成し、10日時点で5億円を突破するなど注目されています。
■「200以上のアイデアから何度も議論」没になったアイデアも
返礼品は、40種類以上のコースが用意され(現在は一部が完売)、今回だけのオリジナルグッズがもらえたり、特別なツアーに参加したりすることができます。古生物の研究者が研究施設を案内する、バックヤードツアーの化石コースなど、ツアーはほとんどが完売になるほどの人気ぶりです。
返礼品が決まった経緯について国立科学博物館の担当者に取材すると「研究部を中心に自分たちに何ができるのか、何が提供可能なのかを考えてもらい、特に条件等を設けず、自由にアイデア出しをしてもらいました」と回答が。クラウドファンディングのサイトには「かはくのコレクションの多様性や奥深さ、そこにかける研究員たちの熱意や偏愛ぶりまで味わっていただけるようなものにしたい! と、職員一同で200以上のアイデアの中から何度も議論をして絞り込んだものです」と書かれていて、議論の様子がうかがえます。
そして担当者は「研究部内では好評でしたが、没になってしまった案としては、『1組限定、特別展観覧ツアー(監修した研究者の解説付き)』でしょうか。特別展は共催者がおりますので、科博単独では決められず、没となりました」と泣く泣く没になったものについても教えてくれました。
■トートバッグに特別ツアー 返礼品に込めたこだわりは
そしてグッズについては「このクラウドファンディングでしか出会えないオリジナルが良いということで、一から製作することとしました」とコメント。「例えばトートバッグなどは、女性職員の意見などを聞きつつ、普段使いができるようなおしゃれなデザインになるようなものを考えています。逆にオリジナル図鑑は、『かはくらしさ』を前面に出し、研究者ならではの視点や熱意をお伝えし、自然科学や科学技術に対して興味関心を持っていただけるようなものをお届けできればと考えております」とこだわりを明かしました。
また、豪華なツアーについては「分野に特化することで、オープンラボではお見せできていない標本をお見せしたり、更に詳しい解説をさせていただくことになるかと思います」と内容について言及。完売が続出していることに関して「ツアーの追加については、現在、研究部と検討を続けております」と明かし、来週以降CFサイトでお知らせするとしています。