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坂本龍一さんが監督を務めたオーケストラ キャプテンが語る坂本さんとの思い出「一生の宝もの」

2024年3月20日 22:10
坂本龍一さんが監督を務めたオーケストラ キャプテンが語る坂本さんとの思い出「一生の宝もの」
坂本龍一さんと東北ユースオーケストラのキャプテン・海津洸太さん
去年3月に亡くなった世界的音楽家の坂本龍一さんが監督を務めていた東北ユースオーケストラが、追悼演奏会を23日に岩手からスタートさせます。東北ユースオーケストラのキャプテン・海津洸太さん(20)に、坂本さんとの思い出やコンサートへの思いを伺いました。
東北ユースオーケストラは、2013年に坂本さんが開催した東北と世界をつなぐ音楽祭をきっかけに始まったオーケストラ。楽団員は東日本大震災の被災3県(岩手県・宮城県・福島県)を中心に、普段は異なる組織で演奏をしている小学生・中学生・高校生・大学生が、プログラム(演奏)ごとに楽団編成を変えながら活動しているといいます。その活動目的は「東北の子供たちが、優れた音楽家による指導や演奏をはじめ、普段は会うことのない様々な人々との交流を通じて世界を知り、たくさんの仲間たちとともに経験していく『成長の場』と考えています。子どもたちの活力が、周囲の大人や地域全体、そして東北全体に活力を与え、あたらしい未来をつくりだすことを目指しています」としています。

追悼コンサートは、23日の岩手公演から始まり、24日の宮城公演、30日の福島公演、31日には東京公演が行われます。演奏会では、2023年に亡くなった坂本さんを悼み、全編坂本さんの楽曲で構成されるということです。さらに俳優の吉永小百合さんや、のんさんが朗読を務めます。

坂本さんが亡くなって約1年。東北ユースオーケストラのキャプテン・海津さんは「もう1年も経ってしまうのかと、時の流れの早さに驚いています。私達は坂本監督を失ってから、何度も何度もあらゆる場面で悩み、その都度たくさん考えてきました。TYO(東北ユースオーケストラ)はどんな存在であるべきなのか、、、キャプテンとしてどのようにこの団体を引っ張っていかなければならないのか、、、。今でも方向性に迷った時に、坂本さんに聞きたくて仕方ありません。。。しかし、坂本さんから自立する良い機会だとも私自身思っていて、どんな人でもどんな団体でも、支えられてるままでは立派だとは言えません。坂本監督は亡くなる直前まで東北ユースのことを思ってくれていたと聞いています。坂本監督がいなくても立派に自立したオーケストラになれるようキャプテンとして引っ張っていきたいと思います」と意気込みました。

坂本さんは、体調が悪化する前は、一年に一度のペースで練習会場で、一緒に練習していたといいます。坂本さんから伝えられた「上手い・下手じゃなくて気持ちなんだ」という言葉が特に印象に残っているといい「ある年の演奏会で私が大失敗をしてしまい、ひどく落ち込んだことがあったのですが、そんなところに監督が来てくれて、震えていた私の手を撫でながら慰めてくれたという事がありました。あの思い出は一生の宝ものです」と振り返りました。

東北3県と東京で開催が予定される今回の演奏会。海津さんは「ぜひ、東北に観光がてら演奏会にいらしてください。東北は魅力がたくさんつまっていますよ。皆様と会場でお会いできることを団員一同心待ちにしております」と呼びかけました。

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