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聖火に込めた亡き父・林家こん平さんの思い

2021年7月28日 14:53
聖火に込めた亡き父・林家こん平さんの思い

東京オリンピックが開幕する23日、都内を15日間にわたって巡った聖火が終着地である東京都庁に到着。歌舞伎俳優の中村勘九郎さんが「東京都内東京2020オリンピック聖火リレー最終聖火ランナー」を務めました。

去年12月に亡くなった落語家・林家こん平さんの二女・笠井咲(かさいえみ)さんは新宿区の聖火ランナーのひとりとして「東京都オリンピック聖火リレー都内到着式」に出席し、トーチに灯した聖火を聖火皿までつないでいく点火セレモニーに参加しました。


らくご卓球クラブの監督を務めるなどスポーツをこよなく愛したこん平さん。亡き父に代わり点火セレモニーに参加した咲さんは、こん平さんが闘病中も“前に進む生き方”をしていたと振り返りました。

「1、2、3ではございませんが、7(月)23(日)と語呂もいいスタートのときに、父に代わって参加させていただいた。オリンピック、特にパラリンピックに向けて父は大声援を送りたいよと、世界のみんながアスリートたちに声援を送れるように自分も頑張るんだと言っておりましたので、きっと大成功のオリンピック・パラリンピックになることを確信して、父もきっと喜んでくれていると思っています」。


■「パラ応援大使」も務めた林家こん平さん

1943年3月12日 新潟県刈羽郡千谷沢村(現:長岡市)生まれ。1958年 初代林家三平さんに入門し、1962年 二ツ目昇進。1972年 真打昇進。1966年 演芸番組「笑点」の初代大喜利メンバー。大きな声と明るいキャラクターで親しまれ、お客さん参加型の挨拶「1、2、3、チャラーン!」は代名詞となりました。

2004年、声を出しづらくなるなどの症状が出て、翌年に多発性硬化症と判明。リハビリを続けながら都電落語会をスタートさせるなど精力的に活動。「1、2、3、パラーン!」という新ネタとともにパラリンピックの成功とバリアフリー推進に向けた懇談会のメンバーで「パラ応援大使」も務めました。

落語界の発展および芸術文化の振興に尽力したとして今年3月、文化庁長官から感謝状が贈られました。また、長年にわたる故郷・新潟への功績が認められ、今年6月には新潟県民栄誉賞を贈られることが発表されました。


写真:こん平さんと咲さん(2018年 都電落語会)